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帰途、ひどく卑屈な断章

作者: 遠國にげる

 短冊に書かれた不均衡な文字列を前にして、私は今まで生きてきた理由を考えていた。そんなことに意味がないことはわかっているけど、スーツに袖を通すようになった今でも辞められずにいる。商店街、果てのないシャッター。


 無性にすべてを破壊したくなって、でもそんなことは叶わないから近くのコンビニに寄って二郎のふりしたラーメンを買った。さっきまでの私の破壊願望はこれっぽっちのものなのかよと笑ってみた。


 コンビニでは何もかもがお金さえあれば即時に手に入って、それは今の社会の縮図だなと思う。三大欲求も喜怒哀楽も、それこそこんな破滅願望だってお金を払えば満たされる。そうやって次の電柱までを目標にして走るみたいに日々を凌いでいる。


 はやく大人にならなければ。刹那だけを生きたいって考えが許されるのは小学生か、本当に明日があるかわからないような奴だけだ。こんなルサンチマンだって、本当は精神的自慰行為でしかない。


 ──ベッドの上でひとり、深く長い溜息をついた。レンジから鳴る執拗な終了音は、飛んでった私の魂を呼び戻すには些か力不足のようだった。

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