表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

もし、某作品が普通のファンタジーだったら。

読んでいただければ、どの作品なのかはすぐに分かると思います。


8月31日 アクエリアスから、アクエリアに変更いたしました。

韻を踏んでいないため、ゴロが悪いと本人より訂正希望が入ったためです。

「本当に行くのか? 相手は七つの大罪の一人、ベルゼビュートですぞ!」

「大丈夫さ。俺たちなら、やれる」


 俺の名はセンマ。

 この世界で英雄もどきをやっている。

 今回はかなりの難題であるが、俺たちのパーティならば絶対に勝てるという確信がある。


 依頼人に指定されたところに近づくと、瘴気に満ちていた。


「アクエリア、まずは浄化からだ。相手のフィールドから引き出してやれ!」

「わかったわよ! 神遣いが荒いんだから!」


 こいつは、水の女神アクエリア。

 この世界に転生するときに、俺が選んだ女神だ。


「ヤミは周囲の警戒を頼む。小物がいるかもしれないからな」

「分かりました~! 小物の攻撃くらいならば、気持ちいいとしか思えません~!」


 ヤミは、クルセイダーという職業についている。

 守りに特化している職業であるため、攻撃力は低いものの、雑魚の攻撃くらいならば文字通りご褒美でしかないだろう。

 それほどまでの鉄壁を誇るのが、こいつなのだから。


「ケイは魔法の準備を。大物相手だからな。お前が切り札だ」

「ふっ。わが極大魔法の力、存分に味合わせてやろう」


 ケイは魔法使いだ。

 一日に一回だけ、極大魔法を使うことができる。

 その力は文字通りの「切り札」足りうるものだ。


「ピュリフィケーション……そろそろ、相手が気づくころだと思うわよ」

「だな。とりあえずヤミを前に出して、俺が遊撃。ケイは限界まで魔力を貯めておけ」


 現れた化け物は……想像を絶するほどの巨体であった。

 醜いカエルのような姿をしており、すべてを飲みつくそうという欲望が感じられる。

 滴るよだれは、地面をシューシューと溶かしていく。


「ヤミ、来るぞ!」


 相手の初撃は、よだれを吐き出す攻撃であった。

 並みの人間であれば、一瞬で溶かしつくされるだろう。


「ガード……こんなものですか? あまり気持ちよくありません」


 だが、ヤミにとっては別だ。

 彼女の防御力の前では、この程度の攻撃は無意味でしかない。


「黒鉛と、風を吹かせる魔法、そして……着火!」


 こちらも攻撃を開始する。

 まずは小手調べで、俺が粉塵爆発を使ってみる。

 相手の表皮は削られるものの、すぐに回復してしまった。


「回復力が高い相手のようね。どうするの?」


 アクエリアが尋ねる。


「だったら、お前の出番だろう? 回復を逆転させてやればいい」


 回復魔法の使い手であるアクエリアは、当然その力を反転させることもできる。

 回復力が高ければ高いほど、致命的になる力の使い方だ。


 相手は次の攻撃に移った。

 体中にあるいぼから、毒煙が噴き出す。


「ピュリフィケーション、そしてリバースヒーリング!」


 毒煙を浄化した後に、回復を逆転する魔法を発動させる。

 アクエリアにとってこの連続魔法は、お手のものであろう。


「こっちも、ナイフを投げて……っと」


 相手に向けて、清められたナイフを投げる。

 突き刺さったら当然、スティールを使って回収するのも忘れない。

 これにより、疑似的に無限ループの攻撃が可能になるのだ。


「ぐっ」


 ヤミが悲鳴を上げる。

 相手は舌を突き出し、鞭のように振るってきた。


「ヒーリング! 大丈夫?」

「まだまだ。気持ちいい範疇です!」


 ……相変わらず、ヤミの鉄壁ぶりには感心させられる。

 だからこそ、安心して楯として使うことが出来るのだが。


「そろそろ、限界まで魔力がたまるぞ。どうする?」

「限界なんてレベルでは不安だ。そのさらに先を目指せ!」


 ケイの極大魔法は、確かに最強の切り札である。

 だが逆にそれで相手を倒すことが出来なければ、こちら側が一気に不利になる諸刃の剣なのだ。


「ああ!」


 アクエリアの悲鳴が聞こえる。

 どうやら相手は、ヤミを丸のみする方向に切り替えたようだ。

 口元から足がのぞいており、相当まずい状態であることが分かる。


「いや、逆にチャンスだ。ヤミに遅延タイプの回復魔法をかけておけ」

「分かった!」


 俺が転生した人間であることは、仲間たちに伝えてある。

 その中には当然、日本の物語も含まれる。


「ヤミ、一寸法師だ!」


 だから、これだけで伝わる。

 あえて自ら飲み込まれたうえで、中で大暴れ。

 遅延回復魔法により、溶かされることなく攻撃が続けられる。

 いくら攻撃力が低いとはいえ、内臓を直接攻撃され、さらに回復力を逆転されているのであれば、当然効果は極めて高いものとなる。


「ヤミが中にいるのだが、どうする?」

「当然、全力でぶっ放せ!」


 ケイに対して、俺が指示を出す。

 そろそろ、ケイの極大魔法がとどめになるくらい、相手は消耗しているだろう。


「それでは……極大魔法、発動!」


 轟音とともに、とんでもない大きさの爆発が引き起こされる。

 当然地面にはクレーターができるのだが……最低でも直径50メートルは下らないだろう。

 当然その上に存在する爆発の大きさは、言うまでもない。


 残っていたのは、黒焦げになったベルゼビュートだけだ。

 焼き尽くされており、辛うじて原形をとどめているという有様。

 命の火が消えているのは、間違いないだろう。


「ヤミ、大丈夫?!」


 中から、ボロボロになったヤミが出てきた。


「なかなかに気持ちいい体験でした。最後の一撃で、危うく昇天しかけました~!」


 ……深くはツッコまない。

 結果として優秀な守り手であるのならば、問題はないのだから。


「ふっ。わが魔力をもってすれば、造作もないことだ」


 地面に横たわる、ケイが満面の笑みを浮かべながら口にする。

 彼女はこの魔法しか使うことが出来ず、しかも一度使うとすべての力を失い、立っていることすら困難になるのだ。

 一見使いにくいように思えるだろうが、その分ジャイアントキリングを行うにはうってつけの力である。


「ありがとう、ケイ」


 いつものように、俺がケイをおんぶする。

 これだけの働きをしたのだから、こうやってサポートするのは当然のことだ。


 そして今、冒険者ギルドにて。


「ベルゼビュートの討伐成功、おめでとうございます!」


 普通の冒険者では見たことがないほどの報酬を、俺たちは手にする。

 アクエリアは既に、両手に酒瓶を持っており……このまま宴会に突入するのは間違いないだろう。

 これだけ働いたのだから、多少羽目を外しても許そうと思う。


「センマも、飲みなさいよ~!」

「やめろって! 俺は下戸なんだから!」


 抵抗したものの、アクエリアに無理矢理酒瓶を口に突っ込まれる。

 明日はおそらく、二日酔い確定であろう。

暁なつめ様、申し訳ありませんでした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ