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ぼくが一番恐れているモノ

「人間は魔力が弱いから、魔道具で補強するの」



幼馴染のエルフのイリスが、ぼくに魔道具をくれた。


全てを見通すゴーグルだ。



ゴーグルを受け取ったぼくは当然考えた。



あれ?


これ何も纏わない状態のイリスが見えるんじゃない?


幼馴染だから、気にしないの?


異性としてぼくを見ていないの?



等々色々考えたが、ぼくの考えは全て正しかったみたいだ。


全てを見通すゴーグルをつけると、イリスの全てが見えた。



「・・・」


「ん?」



気にしてないみたいだ。


それはそれでショックだ。



「わたしはね、それを使わなくても、それと同レベルの事は見えるの」


イリスは言った。



そう言う事が・・・感覚的には裸族なのだろう。


裸族が同じ裸族の裸を、それほど気にしないようなものだろう。



そうか、今までイリスは、見ていたんだ。


それはそれでショックだった。



そんな気持ちでイリスと一緒に、家路につくのは、相当ドキドキした。



異種間中学校からの帰り道、来るとは思っていたけど、スライムが5匹が現れた。


スライムたちは、何故かサングラスを掛けていた。



悪そうな演出だろうか?


最弱のくせに。


でも、ぼくらにとっては強敵ではあるのだが。



「おーい!人間とエルフのガキども!あるもん出したら見逃してやるぜ!」


と言うもんだから、ぼくは前衛としてイリスを守るように剣を抜き構えた。



「あたしに任せて」


とぼくの背後でイリスが言った後、イリスは、


『闇色眼鏡』


と唱えた。



「ガキのエルフの魔法など、なんてことはないわ!」


とスライムのボスっぽい奴は言ったが、数秒後、動きを止めた。



スライムはサングラスの奥の表情は見えないが、顔は驚愕していた。


その闇色眼鏡化したサングラスで、何かを見ているのだろう。



「うっうっうっ」



スライムはかなり苦しそうな表情だ。



そしてスライムは、


「えーと、そう言う事でしたら・・・・はい」


とスライムは手持ちの金貨を地面に置き、


「それでは、今日はこれで帰ります~」



スライムの群れは、愛想笑を浮かべながら、森に帰って行った。



「これ!本物の金貨だ!」


イリスは、嬉しそうにその金貨を集めた。



「それにしても、スライムは何を見ていたんだろう」


「それはね、スライムが心の中で一番恐れているモノを見てたんだよ」


「心の中で一番恐れているモノって?」


「さあ、でもそれぞれ違うモノだからね」


「ぼくが一番恐れているモノって何だろう?」


「試してみる?ちょうどゴーグル着けてるし」



ぼくが一番恐れているモノ?


魔物の類かな?


どうせ幻影だし。


「うん、試してみたい」


「じゃあ行くね『闇色眼鏡』」



ぼくの付けているゴーグルに、ぼくが一番恐れているモノが、映っているはずだが・・・何も変わらない。失敗かな?



ぼくはイリスにそれを告げようとしたが、イリスが見当たらない。


「・・・」


「何か見えた?」


イリスの声だけ聞こえた。



そう言う事か、ぼくが一番恐れているモノは、イリスが存在し無い状態。


『解除』


イリスの声が聞こえると、イリスの姿も見えた。


「ねえねえ、今何が見えてた?」


「いやー何だろう、魔物ぽい奴かな」


ぼくは誤魔化した。



「なーんだ、なんか普通」


イリスは詰まらなそうに呟いた。


        


つづく




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