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怖い夢

作者: ひぐまびっち

「……君、ター君?」


「うわあぁッ! 」


「ター君、大丈夫?  だいぶうなされてたわよ」


「はあ、はあ、はあ、ああ母さんゴメン。ボクなんだかとても怖い夢を見ていたみたいで」


「ター君たら、すごい汗よ」


「うん母さん、とても怖い夢だったんだ。とてもとても怖い夢だったんだ。なのにどんな夢だったのか、ああ、もうボンヤリ忘れかけてる。あのね、ええとたしか……」


「もう。そんなに怖い夢なら無理に思い出すことないじゃない」


「でも母さん、ボクこういうのは思い出さないと気になる性分なんだよ」


「嫌よ。怖い話なんて母さんは聞きたくないからね」


「ええと、たしか夢の中でボクは」


「ター君やめて、聞きたくないってば」


「夢の中でボクは……ひとりだったんだ」


「……」


「ボクには恋人も友だちもいなくて、心の許せる親しい人なんて唯のひとりもいなくて……」


「……」


「定職もなくて、学校も出ていなくて……、いやそもそもずっと引きこもりのまま無為に年を重ねていて、優しかった母さんもどんどん老いていって、それで、それで、ああ、とうとう母さんが亡くなってしまって……、それからの俺は……、俺はすっかり精神を病んでしまって……、もうずっと長いこと入院していて……」


「……」



「はあ、はあ、はあ、ねえ母さん、母さん、あれはただの夢だよね? 本当に本当に夢の……、はあ、はあ、はあ、ねえ母さん、母さん、ボクの母さん……」


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― 新着の感想 ―
[一言] 怖いよーー_φ(・_・
2023/12/26 08:43 退会済み
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