子猫の3兄妹 子猫の学校
とら:
夜の闇の中、僕たちは、公園に集まっていた。ここは、猫の学校。先生が話し出した。
「今日は、どうして学校で勉強するのか、君達に考えてもらいます」
なんて、簡単な質問なのだろう。僕は、自信ありげに答えた。
「賢く、強く、立派な猫になるためです」
先生は、満足げに、うなずいた。
しろ:
お月様が綺麗。今日も、いつもの勉強会。さて、がんばろうと、背伸びをひとつ。
先生が何か言ったみたい。わたしは、いつものように、隣のたまちゃんに尋ねる。
う~ん、難しいな。兄さんは立派なことを言って先生に褒められたみたい。わたしは、たまちゃんに教えてもらおう。
ミケ:
暗闇の中に、いくつもの光る玉が見えます。それは、左右上下にゆらゆらと動き、ときどき、消えて見えなくなります。あっ、しろちゃん、あくびをしているんだ。
今日の課題は、難しいです。でも、とらちゃんは、簡単そうに答えます。さすが、ミケのお兄ちゃん。賢いです。
しろちゃんは、態度で答えています。女を武器に要領よく生き抜く能力を学んでいるようです。
ミケは、当然。「ここに学校があるから」です。でも、これでは叱られてしまいます。困ります。
今、ミケの脳裏に、ひらめきが走りました。ミケは、先生に言います。
「素敵な先生に会うためです」
月明かりの下。三匹三様の子猫の姿があった。