魔法の世界も何だかめんどくさそう
「では、これから少し詳しく説明させていただきます。くれぐれも聞き逃さないようにおねがいしますね?」
「あ、はい。よろしくお願いします。」
そう言うとリリちゃんはこほんとわざとらしく咳払いをして、ゆっくり話し始めた。
「ではまず、これからあなたに転生してもらう世界についてですが、今まであなたが生きてきた世界を“科学の世界”と呼ぶとすれば、“魔法の世界”というとわかりやすいでしょうか、技量と才能と適性の差こそあれど、その世界に住まう住民たちはみな魔法を使うことができます。でも、逆に科学の類は夢物語のように語られています。」
「えーと、ゲームの世界のような感じだと考えても大丈夫ですか?」
「はい、その認識で問題ないかと思います。その魔法についてなのですが、ここで説明してしまうことは規約に違反してしまうので是非ゆいさん自身で体験していただければと思います。」
「え、あ、わかりました。」
「ごめんなさい。本当は一から全部教えて差し上げたいのだけれどね、、、」
どうやら神様でも上下関係がしっかりあるらしい、世知辛いなぁ、、
「と、少し話が脱線してしまいましたね。では、ここからは“人間”と“魔族”について説明させていただきます。」
そう言うとリリちゃんは先ほどより一層真面目な顔をして、話し始めた。
「人間は、まぁ普通の人間です。たくさんの人が集まり、国や町を作って生活しています。問題があるとすれば、貧富の差があまりに激しすぎること、でしょうか。」
「貧富の差、、、人種や身分による差別意識がまだまだ残っていたりするのでしょうか。」
「そうですね、確かにその問題もありますけれど、単純に魔力の強さによっても差別しています。強い家系が権力を得ていて、弱ければ弱いほど爪弾きにされているのが現状ですね。」
「実力主義みたいな感じですか?」
「まぁそんな感じです。ただ、魔力は確かに努力次第で鍛えることが可能ではありますが、それでも生まれた時から強い人が幅を利かせているのが現状なので、必ずしも実力主義だとは言い切れないんですけどね、まぁ、ここら辺の話はあまりあなたには関係ないことなので、何となく頭に入れていただければそれで大丈夫だと思います。」
「関係ない、、、ですか?」
「はい、というわけでここからは魔族について説明させていただきます。」
「あ、はい。よろしくお願いします。」
リリちゃんは再びこほんとわざとらしく咳払いをした。
「まず、魔法の世界には魔物という邪悪な生物が存在しています。とは言っても、それは人間にとって邪悪な存在というだけで、魔法の世界にとっては必要不可欠な存在なんですけどね。」
「必要なんですか?」
「はい、魔物がいるおかげで空気に魔素が含まれるようになり、そのおかげで魔法の世界では魔法が使えるようになっているんです。」
「そ、そうなんですか。」
「しかし、このことを人間は全く理解していません。何なら魔法を使えるのは神が力を授けてくれたからだと曰う輩までいます。私たちが人間のためだけにそんなことするわけがないのに。」
リリちゃんは少し不機嫌になって何やらぶつぶつ独り言をいいはじめてしまったので、慌てて話を元に戻した。
「そ、それでその魔物の話と私に何の関係があるんですか?」
「あ、そうなんです。魔法の世界にはかつて魔物の特徴をもった人種である魔族という変わった種族が存在していました。」
「かつて、、、?」
「はい、もう絶滅してしまったのですけどね。」
おう、、、、




