魔王の威厳
夜空に満点の星が輝く頃、私はおおかみさんに起こされた。
「魔王様、おやすみのところ申し訳ない。今見張りをモグラたちと交代したから報告に来た。」
「おおかみさんおはよう。それとお疲れ様。」
「たいしたことはしていない。」
おおかみさんは口ではそういっていたけど心なしか上機嫌に見えた。
「それで報告なのだが、勇者が森に到着した。」
「え!?もう来たの!?大丈夫!?怪我してない????」
「大丈夫だ。勇者は今日の日があまり上りきってない頃に到着したのだが、結界に気づいている様子はなくずっと森の中を彷徨っていた。」
「そう、、、まだ見つかってないんだね。」
「あぁ、だから俺たちはだれも戦ってないから怪我人もゼロ、あの様子だとおそらくモグラたちも大丈夫だと思う。」
「わかった、、、とにかく無事で良かったよ。でもいつ気づかれるかわからないから勇者が森の中にいる間は厳重注意ね。」
「了解した。」
「じゃ、私はもぐらさんのところに行ってくるから、おおかみさんたちはゆっくり休みなね。」
私は狼たちにそういってもぐらさんのことを手伝いに向かった。
しばらく歩いていると、もぐらさんが見えてきた。
「おーい、もぐらさーん。」
「魔王様!?そんな大声出してたら気づかれちゃうだべよ!?」
「結界の中は大丈夫だよ。」
「あ、そうだっただべ。」
もぐらさんは相変わらず地面から顔だけ出して私のことを上目遣いで見ていた。
「たんこぶは治ったの?」
「少しずつ小さくはなってるだべ。でもまだ少し痛いだべ。」
「強くどつきすぎたかな。」
「確実に強すぎただべよ、うさぎさんも痛そうにしてただべ。」
「そうなの?なんだか悪いことしちゃったかな、、、」
「そうだべ、魔王様は歴代の魔王様と比べても化け物みたいに強いらしいからもっと手加減したほうがいいだべ。」
「手加減したらどついていいのかな?もぐらさん?」
「あ、、、ごめんだべ。」
なんて冗談を言い合いながらも、もぐらさんは視点共有、私は探索魔法をつかって見張りをしていた。
最初私が手伝うっていったら魔獣のみんなに申し訳ないからやめてくれって言われたけど、結界を張ってはい終わりって案件でもなさそうだし、見張りで使えそうな魔法も使えたし、みんなのことを手伝ってあげたかったからこうして一番元気な夜に同じ夜行性のもぐらさんと二人で見張りをしていた。
とはいえ勇者はいくら強力だとはいえ人間だから夜になると動かないわけで。
「、、、暇だね。」
「そうだべなー」
「あ、私の前で暇って言った。」
「えぇ!?それはずるくないだべか!?」
「冗談冗談。」
「もう、魔王様のパンチは本当に洒落にならないくらい痛いからそういう冗談はやめてほしいだべ。」
「そんなこと言ってるけど。結構平気そうに見えるよ?」
「そんなわけないだべ!!!!げんにたんこぶの痛みが3日も続いてるんだべよ!!!!」
「そんなこと言ってー本当は痛くないんじゃないの?」
私がそういってもぐらさんのたんこぶを軽く叩くと。
「いったあああああああああああ」
もぐらさんの悲鳴が結界中に響いて、寝ている魔獣たちを起こしてしまい、おおかみさんとくまさんに怒られてしまった。
「おいモグラ!!!うるさいぞ!!!」
「嬢ちゃん、、、今何時だと思ってるんだ?」
「「ごめんなさい、、、」」
おかしいな、私って一応魔王だよね?




