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異変

★勇者視点

俺は出発してから2日かけて森に到着した。

しかし、まずは雑魚の兎から殺そうと中に足を踏み入れるとすぐに違和感を感じた。


「、、、流石に魔素の濃度が濃くねぇか?」


だが魔獣が多く繁殖したり強力な種族が生まれると異常に濃くなることは稀にあるし俺も一度経験したことがあるからどうってことない、むしろ強いやつの首を国王に持っていったらより大金が貰えるからラッキーと思った。


しかし、森の中を探索していくうちに更なる違和感を感じた。


魔獣が一匹もいないのだ。


いつもなら十分ほど探索してたら兎や栗鼠といった雑魚どもが見つかるはずだった。

しかし一時間探し回っても何もいない。ならばと探索魔法を使っても何も見つからない。


「どうなってやがる。」


もう絶滅してしまって魔獣が一匹もいなくなったのだとしたら、この魔素の濃さの説明がつかない。


「何かとんでもねぇのが誕生しちまったのかもしれねぇな。いっちょやってみるか」


そうして勇者は、勇者の加護を発動しようとした。自分を欺いている魔法を全て無効化しようとしたのだ。


しかし、そこで勇者は気づいてしまった。


「、、、勇者の加護が、発動しない?」


自分が無力になっていることに。


★聖女視点

バカな勇者を見送ったあと、私は結界のメンテナンスをするために教会にある魔法陣の部屋に来ていた。

この国の結界を維持するために使われている魔法陣は合計四つあって、かつて聖女が四人がかりでこの国中の都市を全て守れるほど大きな結界を作り、その後天に召されたと聞いている。

すなわち魔力の使いすぎで死んでしまったのだ。


そして私は万が一この結界が壊れてしまうことのないように毎日メンテナンスに来ているわけだ。

言い伝えでは四人いたはずの聖女もいまは私一人しかおらず、この魔法は完治の魔法を使えるものにしかメンテナンスできないのだから私がやらなくてはいけない仕事なんだと理解していた。


だから不満はなかった、むしろ私しかできない仕事だと張り切ってやっていた。


しかし、いつも通り魔法陣に触れて状態を確認しようとすると異変を感じた。


「、、、何も反応しない?」


いつもなら私が魔力をすこし注げばその反応でどのような状態なのかわかるのだが、今日は何故か何も反応がない。


「おかしいわね、念の為完治の魔法を使って万全の状態にしておこうかしら。」


結界に完治の魔法を使うと、結界の魔法陣はどんな状態であっても万全になる。いつもは1日動けなくなるほど魔力を食われるから滅多にやらないのだが、もしものことがあったら大問題になるので仕方なく完治の魔法を使おうとした。


しかし、そこで私は気づいた。


「、、、完治の魔法が、、、発動しない?」


おかしいのは魔法陣のほうではなく、私自身の方だった。


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