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生きていると信じて

★姫視点

「え、リスさんって魔獣なの?」

「そうっすよ。」


初めて聞いた時はそれはそれは驚きました。だって先生は魔獣は人間を見つけると見境なく襲いかかってくる野獣で、魔力も消費し続けているからこの国、いや、世界にとって害しかないものと聞いていたのでもっと恐ろしい見た目をしていると思っていたのに、今目の前にいるリスさんはそれはそれは愛くるしい姿をしていたのですから。


「それって私に話しても良かったの?もしかしたら捕まえちゃうかも。」

「流石に子供に捕まるほど弱くはないっすよ。それにあんたはそんなことしないって何となく思うっすから。」

「、、、そう。」

「うちのこと怖いっすか?」

「全然怖くないよ。」

「ならよかったっす。」

「もっと教えて、魔獣の森のこととか、どうやってこの庭に侵入したのかとか。」

「いいっすよー特別に何でも話してあげるっす。」


それから私はリスさんと毎日休憩時間にあってたくさんお話ししました。


どうでもいい話だったり、愚痴だったり、美味しい木のみの話だったり、他の魔獣たちの話だったり話題は不思議と尽きることがありませんでした。


初めて何でも気軽に話せる友達ができて、私は毎日が楽しくなりました。


しかし、そんな毎日は唐突に終わりを迎えてしまいました。


丁度二年前、侯爵家の誰かが勇者の力をうけついでいたのです。


名前は覚えられませんでした。なまじ興味を持つことができなかったのです。


勇者は力を受け継いでから3日後に魔獣の森へ魔獣退治に行きました。


私は魔獣の森の人たちがみんな心優しいのだとリスさんの話で知っていました。

だから勇者に魔獣を殺さないでと、必死に引き留めようとしました。


すると、


「あ?誰に口聞いてると思ってんだ?」


と、全く相手にされず、何もすることができませんでした。


帰ってきた勇者は魔獣の返り血をたくさんつ浴びて帰ってきました。


成果を上げてきた勇者に国王と妃様は大変喜んでいました。


そしてその翌日から、リスさんが庭に来ることがなくなったのです。


私はそれから、勇者のことをほぼ毎日説得しています。


体を売れば行くのをやめてやるという言葉を馬鹿正直に信じたこともありました。


それでも勇者は魔獣を殺し続けています。私は、ただ唯一の友達が生きているのを信じることしかできないのです。


★勇者視点

「さて、今日は何匹殺せるかな。」


姫の言うことを全て無視して俺は魔獣の森へと馬車で出発した。

森までは大体2日ほどかかるから途中で野営を挟みつつの陸路になるが、俺にはこの国で一番性能のいいマジックバックと、その中に詰め込んだとっておきのキャンプセットがあるから問題ない。

それに野盗に襲われてもどうせ雑魚ばっかだからどうってことない。


今回もいつも通り、魔獣を好きなだけ殺そう。どうってことない


俺は鼻歌まじりに歩みを進めた。

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