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たんこぶ

★りすさん視点

うちらは草原で眠りについた魔王様を眺めていた。

すると、狼族の長と親分が話し出した。


「なんだか、今までの魔王様と全然違うな。」

「そうだな、狼族は結構雑に使われてたからな。なのになるべく戦闘するなだとよ。わしは嬢ちゃんが優し過ぎてどこかで足元掬われないか心配だ。」

「親分よ、まるで孫ができたみたいなテンションになっているが、魔王様は一応この森の長なのだ。ちゃんと敬意をもってだな。」

「そう言うお前も一応って言ってるぜ。嬢ちゃんは正真正銘の魔王だってのによ。」

「それは言葉のあやってやつだ。おれは生まれた時から魔王様に忠誠を誓っている。」

「魔王の方が生まれは後なのにどうやって忠誠を誓えるってんだ?」


なんて、仲がいいのか悪いのかよくわからない二人の会話を聞き流していると、土竜族の長がうちに話しかけてきた。


「りすさんりすさん。」

「うちのことっすか?」

「そうだべ。魔王様がそう呼んでたから真似してみただべ。」

「なるほどっす。じゃぁうちももぐらさんで。」

「なんだか一気に仲良くなったみたいだべな。」

「そうっすね、距離が縮まった感じがするっす。」

「、、、魔王様のこと、そんなに気になるだべか?」

「え?」

「だってさっきからずっと魔王様の顔を見つめてただべよ?」


無意識だった、でも、気になるところはたくさんあった。


「、、、魔王様はまだ生まれたばかりなのにどうしてうちらのために動いてくれるんすかね、それに魔王からしたらうちら魔獣たちなんて取るに足らない存在なはずなのにどうしてこんなに優しくしてくれるんだろう。それにそれに、、、、」

「あーわかっただべ。聞いてた印象と全く違うから困惑してるだべな?」

「、、、うん。」

「最初はおらもびっくりしただべよ?でも魔王様がやろうとしてくれていることは森にとってはきっと悪いようにはならないと思うんだべ。」

「、、、そうっすね。」

「それに魔王様もただただ優しいだけじゃないだべよ?」

「え?そうなんすか?」

「ほら、これをみてみるだべ。」


そういってもぐらさんはうちに魔王様にどつかれてできたたんこぶを見せてくれた。


「二回も、しかも同じところをどついてきたんだべよ!?そのせいでたんこぶが鏡餅みたいになっただべ。」

「、、、あははっ、なんすかそれ。」


うちはなんだかおかしくて笑ってしまった。

するともぐらさんはうちの小さな頭にそっと前足を乗せた


「、、、そう、これからどうなるかわからないけれど、笑顔でいればどうにかなるだべよ。」


もぐらさんはそう言ってくれて少し泣きそうになったけど、頭の上のたんこぶが少し見えて結局笑った。


★くまさん視点


「、、、おい、おれと親分がつまらん言い合いしている間にりすともぐらが偉い仲良くなってるぞ。」

「ほんとだな、ちっこいもの同士微笑ましいな。」

「いや、そう言うことじゃなくて、今までずっと苦しい思いしてきた二つの種族だから、これをきっかけに少しでもいい方向に進めたらいいなって思ったんだが。」

「あぁ、そう言うことか、てっきり狼もちっこいものが好きになったのかと思ったぞ。」

「そんなわけあるか、俺は任務へ向かうからな。」

「おう、気をつけるんだぞー。」


おおかみの野郎は颯爽と任務に向かった。その瞬間少し微笑んでいたのをわしは見逃さなかった。


「素直じゃないな。あいつもまだまだわしに比べたらちびっこも同然だな。」


くまさんはそう言って青く澄み渡った空を見上げた。

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