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思ったより少ない。

集合命令で森中の魔獣たちを集めた後、とりあえずうさぎさんともぐらさんにゲンコツを一発ずつ食らわせてからざっとどれくらい集まったのか確認してみた。


「、、、あれ、思ったより少ない。てっきりこの平原が埋め尽くされるくらい集まると思ったんだけど。」

「あぁ、間違いなくこれが魔獣の森の全勢力だ。前までもっといたんだがな。」

「そうなんですか、、、」

「魔王様かなしんでるだべよ、さっきおらたちを真顔でどついた人とは思えないだべ。」

「もしかしたら二重人格なのかもしれないですよ。あまり触れない方がいいかもしれません。」


もぐらさんとうさぎさんは後でもう一発ずつお見舞いしてやるとして、とにかく作戦通りに結界を張ろうとしたところ、二匹の魔獣が私に話しかけてきた。


「あなたが魔王様っすね!初めまして!うちはリス族の長です!よろしくっす!」

「俺は狼族の長だ。よろしく頼む。」

「初めまして。魔王のゆいです。よろしくね。」

「やばいだべ、さっきまでめちゃくちゃ不機嫌オーラ全開だったのに急に優しい笑顔になっただべ。」

「やはり二重人格なんじゃ、、、」


やっぱり今ゲンコツを食らわせてやった。


「「あたっ!!!!」

「あんまり余計なことばっかり言ってると殴るからね。」

「もう殴ってるだべよ、、、」

「おいちびっ子ども、楽しくおしゃべりするのはいいがさっさ結界貼ったほうがいいと思うぞ。」


なぜか私も一緒にくまさんに怒られてしまった、、、解せぬ。

するとりすさんとおおかみさんがくすくすと笑っていた。


「いや、なんか安心したっす。今までの魔王様はみんな怖い人ばかりだったと聞いていたので。本当はお会いするまで怖かったっす。」

「だな。俺たちのことをしっかり考えてくれたからこうしてここに集めてくれたんだろ?そんなこと今までなかったんだ。ありがとな。」

「まだお礼を言うのは早いよ。それに、これから私がここでお世話になるんだからみんなのためにできることやるのは普通のことでしょ?気にしないで。」


私はそう言うと、


「じゃ、始めるよ。」


と言って結界魔法を発動した。


★りすさん視点

「す、すごい、、、」


うちは魔王様が結界魔法を使っているところをみて、無意識のうちにそう呟いていた。


結界魔法をこの目で見るのも初めてだし、そもそも魔王様とお会いしたのも初めてだ。今までの魔王様はうちらリス族のことを軽視し、ひどい時には長を殺してしまうこともあったと聞いていた。


だから集合命令が使われた時、怖かった。リス族は確かに他の種族と比べてもできることが少ない。強いていえば得意な木登りで高いところにある木の実を取るくらいだ。力もないし魔法だって得意じゃない。

魔王様がこのことを知ったらまたうちらに失望して殺してしまうかもしれない。だから本当は逃げ出したかった。でも魔王様の集合命令は絶対だ。逆らえない。


だから本当は死ぬつもりできた。しかし蓋を開けてみたらどうだ。魔王様はうちの目をしっかりみて挨拶してくれた。そして今魔獣たち全員を守るために結界魔法を使っている。


うちが今まで聞いてきた魔王とはまるっきり違うのかもしれない。そんな期待を抱かずにはいられなかった。

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