集合命令と結界魔法。
「集合命令ならおらも使えるだべよ、種族の長が使える魔法で、自分が従えている生き物を強制的に集合させる魔法だべ。それでどうするんだべか?」
もぐらさんだけどういうことか理解できていなかったみたいなので、うさぎさんが説明してあげていた。
「もぐらさんはまだ若いから魔王とお会いするのは初めてなんでしたっけ?」
「そうだべ。だからとても感激なんだべ!!!」
「なら知らないのも無理ないですね。私たちの集合命令は同じ種族にしか使えないのは知っていますよね?」
「当たり前だべ。」
「でも魔王様は違うんです。」
「ちがう、、、だべか?」
「はい、魔王様は支配している森中の魔物全てを集合させることが出来ちゃうのです。」
「な、なんだてええええええええ!!!!?????」
もぐらさんはあまりにびっくりしたのかずっと入っていた穴からばんざいしながら飛び出し、そのまますっぽりと元いた穴に戻っていた。
「あ、でもその集合命令だってやっぱり範囲が広くなるとその分魔力消費量は多くなるだべよ?本当に大丈夫だべか?」
「それなら問題ないぞ。」
今度はくまさんが説明を始めた。
「何たって嬢ちゃんは魔王なんだ。森中の魔獣たちを一箇所に集めるなんざ朝飯前だよな?」
「え、あはい。多分できると思いますけど。」
私がそう答えると。
「魔王様半端ねぇ、、、、」
と、もぐらさんが私に尊敬の眼差しを向けていた。
「では、集合命令を使って魔獣を集めた後どうしましょうか。ただ集めただけじゃ目立つからかえって狙われやすくなる可能性もあると思うのですが。それに、どこに集めたらいいのか、、、」
「それなら多分大丈夫。」
うさぎさんが不安げにしていたので、私は少しでも安心してもらうためにパッと思いついた作戦を説明してみることにした。
「まず、魔獣たちを一箇所に集めるじゃないですか。そうしたら、集めた場所の周りに私が結界を貼ります。」
「嬢ちゃん、、、結界魔法まで使えたのか、、、」
「魔王様ってこんなに何でもありな存在なんだべなぁ、、、」
「いや、流石にこれは化け物じみてると思います、、、」
「誰が化け物だって?」
「「「ごめんなさい。」」」
「まぁそれはいいとして。結界魔法と言ってもなんか色々出来そうなんですよ。例えば魔法を使えなくする空間を使ったり、誰も入れないようにしたり。」
「では、今回使う結界は、誰も入れない結界ですか?」
「はい、それともう一つ効果をつけた結界を使おうかなと思います。」
「待てや嬢ちゃん、結界は本来一つ効果をつけるだけで相当な魔力を使う代物なんだ。それをいきなり二つつけるのは流石に無茶がすぎるんじゃぁねえのか?」
「全然大丈夫だと思うので。心配なさらず。」
「ヤベェだべよ。普通の人間がやったらもう魔法が一生打てなくなるほどの大魔法をこともなげにやろうとしているだべよこの人。」
「やっぱり化け物なんじゃ、、、」
「二回言った?ねぇ、二回も化け物って言った?」
「「こわいっす、、、」」
「あとは集める場所だが、それはわしに任せてくれ。伊達に長くは生きてねぇから、誰よりもこの森には詳しい自信がある。」
「ありがとうございます。」
「とりあえず。まとまっただべな!」
早速、作戦開始だ。