夜明けまでにできること。
「おいおまえさんたち。確かに色々気になることはあるだろうが、嬢ちゃんは吸血鬼だから朝になると力が半減しちまうんだ。だから今のうちにできることを早く決めてやておいた方が賢明だとわしは思うがな。」
くまさんは笑いながらではあるが、てんわやんわしていたもぐらさんとうさぎさんにピシャリとそう言った。
「は!?そうでした。いまは今日くるかもしれない人間をどうやって追っ払うかを考えた方がいいかもしれないですね。」
「そだな、それに今夜は人間たちは見てないから明日くる可能性は全然あるだべな。」
その一言で見事に私の強さの話から明日来るかもしれない人間に足してどう対抗するかの話に変わったので、私も意見を出してくことにした。
「一応確認なんですけど、別に人間と戦わなくても追い払うことができればそれでいいんですよね?」
「は、はい。おっしゃる通りでございます。」
「なら私の想像魔法で壁かなんか作って入れなくしたらいいんじゃない?」
「嬢ちゃん、もう次期夜明けだってのに間に合うのか?」
「いくら魔王様でも流石に間に合わないと思いますよ、それにいきなりそんな大きな壁作っちゃったら逆に目をつけられることになりかねないです。」
「んだんだ。今すぐには出来ねぇから他の方法を探すべ。」
本当は多分二、三十分あればできそうだけど、確かにあんまり目立つことをしたら逆に危ないから私の案は即却下となった。
するとうさぎさんが新しい案を出してくれた
「森中にいる魔獣たちをなるべく一箇所に集めたりできないですかね。そうしたら魔王様もかなり動きやすくなるかと思うのですが。」
「それってどういういこと?」
「魔王様は話を聞いてる限り大抵のことはできると思います。でも魔法を使うとなると範囲が広くなるにつれて時間もかかってしまいますし、目立ってしまう。それに魔王様の体力も心配です。なのでなるべく範囲を狭くでたらと思いまして。」
「みんなを集めるって、どうやってやるんだ?今ここにいるうさぎさんと親分とおいら土竜は集められるとして、他にも種類はいっぱいあるから流石に難しいと思うだべよ?」
「それなら問題ねぇよ。」
くまさんはそう言って私の背を力強く叩き、なぜか自身ありげに言った。
「ここに魔王がいるから、な?嬢ちゃん?」
「?わたしですか?」
「、、、嬢ちゃん、さっき自分に鑑定使ってたよな?」
「はい、使いましたけど、、、」
「、、、はぁ、じゃあ、もう一回使ってみな。そいで使える魔法もう一回ちゃんと確認してみな。」
「は、はい。」
何のこっちゃわからないまま私は再度自分に鑑定を使った。
「、、、あー、これかぁ。」
「何かあったんだべか?」
「うん、多分集合命令って魔法を使えばみんな私の近くにきてくれると思う。」
私がそういうと
「そ、その手があったかああああ!!!」
とうさぎさんが叫んでいた。