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銃弾が後ろから放たれる。頬を掠めた弾丸の熱に痛みが焼き付く。
後ろを見ながら走る訳にも行かない。
ジグザグに不規則に、時に走る速度を緩めて的を定められないようにする。
物陰に隠れながらひたすら走る。幸い月明かりはない。だが、こちらから攻撃に出る手段もない。
仕方ない。違法取引現場からパクって今追ってきてるこいつを殺すしかない。仕方ないよね、殺らなきゃ殺られる。
違法入国者共は銃をもってちりじりに動いている。統率が取れてない。
今なら隙も大きいだろう。
何回か曲がり、最初の位置に戻る。狙撃位置だ。
そして、逆走。わーわー喚く外人達の集団に突っ込む。
チラリと追っ手を見れば動きを止めて次の手段を模索している。
流石にそれまでのリスクは犯せないらしい。
手頃なハンドガンを奪って、性能と反動を人に打ち確かめる。
「コレはいい、サブにしよう。後はメイン」