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ナナケトマクロ  作者: Mattuo
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生活


そして俺には借宿が用意されていて、好きなように使って良いらしい

部屋には特に何もなく全体的に埃っぽい


マカイ:「はあ…疲れた〜」


埃っぽいベッドだろうとお構いなしに倒れ込む。

埃が舞っている

何が起きているのかもわからないまま事が進んでいき、情報もどんどん増えていく…

少し情報を整理しておこう。

まず俺はどこかわからないがマクロという危険生物のいる場所へと来てしまった。そして、その危機に対して対抗できる町がウェルカであり、他の町は全滅したようなことを言っていた。

その対抗手段というのが"シキ"という特殊能力で色々な事ができるらしい。マリがその一部に神を宿すものというのが含まれるような口ぶりをしていた。おそらく"シキ"の上位互換的なやつだろう。

"シキ"を持っているかどうかはマツオ王がわかるらしく俺はないと判断されたわけだ…

さてこれからどうしようか


このままでは俺は完全に厄介者だ…

存在価値を示さなければいけない。

こんなに親切にしてもらっておいて何も返せないようなやつにはなりたくない。

俺には何ができる?

俺は自分のこともよくわかっていないのにどうしろっていうんだ…

自分が今までどんなことをしてきたかもよくわからない。

知識の蓄積もなく、俺には歴史が存在しない。

つまり俺は赤ん坊同然だ。


歴史は道だ。大事な道だ。

なにかを考える時に今までの歴史を参考にする。

なにも分からないとこからスタートすることはとても難しい。


三角形の面積の公式はだれでも知っているが何も知らないとこから求めさせられたら誰しもが解けるわけではないだろう。

それと一緒だと思っている。


俺は今自分で三角形の公式を考える立場にいるのだ。

歴史がなくとも自分で考えて答えを導く必要がある。


おれは答えを出すことなど出来ずに深い眠りについていた…



目を覚ますとそこには見慣れない天井があった。

あぁ…そうだ借宿で今後について考えていたら寝落ちしてしまったんだ…


グゥーーー


突如腹から大きな音がなる


「腹減った…」


とりあえず食料でも買いに行くか…

飲食店を探し外を歩いてみた。

初めて1人で歩くこの世界はとても不思議な感じがした。


むしゃむしゃと手のひらサイズの板状の何かを食べている。

朝飯を食べているヒト


衣類をゴシゴシと洗濯板を使って洗っている。

洗濯をしているヒト


クワを使って畑を懸命に耕している。

畑を耕すヒト


ゲラゲラと笑っている。

雑談をしているヒト


まあその中でも大抵は

俺を不思議そうな目で見ているヒトばかりだ

俺は少し居心地が悪く、早歩きでマリの家へと向かった。


そんなことを考えつつも飲食店を探したがそれらしきものは見つからなかった。


マカイ:「んー…とりあえず近くにマリの家があるし聞いてみるか…」


マリの家はここからすぐだ。

マリからは分からないことがあれば遠慮なく来てくれと言われている。

食料についてきいておくか


マリの家と思われる家の前までやってきた。

作りは俺の借りている宿とほぼ同じでとても質素な家だった。優れた"シキ"を持つものには良い配給があると聞いていたからすっかり豪邸をイメージしてしまっていた。


コンコンとノックすると中から「入れ」という指示を受けて俺は家の中へと入る


女の子らしいようなものは当然のようになく、俺の部屋と大差はない部屋だ。


マリ:「どうした?」


マカイ:「お腹が空いたんだが飲食店のようなものはないのか?」


マリ:「飲食店?そんなものはない。腹が減ったのならラーラを食え。畑を耕している者なら誰でもくれるだろう」


マカイ:「そうなのか、すまん。しらんかった。」


マリ:「いや、こちらが説明不測だったな。すまない。では取りに行こう」


マリについていくと先ほどは見ていたクワを持って畑を耕している人の元へと連れてこられた。


農民A:「やあ、おはよう!姉さん!その横にいるのはマカイくんだね!よろしくー!」


元気に挨拶をしてくれる

若干太り始めた中年のおっさんといったところか。


マカイ:「こちらこそご迷惑をおかけしますがよろしくお願いします」


農民A:「そんなかしこまらないでくれー僕はいつでも力になるしみんなだってそうしてくれる!そうだろ?姉さん」


マリ:「あぁ。その通りだ。この町にお前が困っていたら助けないものなどいないだろう。この町はそういう所だ」


こんな親切な集団ヤバくないか?

どう育ったらこんなに優しくなれるんだ…

悪い人がいないというのはありえるんだろうか100人くらいいれば一人くらい悪い人がいないと逆に不安になる気がする。

俺の考えがひねくれているのだろうか…

だが今まであった数少ない人物はみな優しかった。

裏のない優しさに甘えすぎないようにしよう…


名前も分からない優しい農民Aさんからラーラーをもらい帰路につく。

一口がぶりと食べてみる。

マリ:「どうだ?」


正直あまりおいしくない。

口の中がパサつく

水をくれぇぇ

そんなこと言えずにとりあえずおいしいと言っておこう


マカイ:「んー微妙だ…

パサついてる…」


あ…また本音がでてしまた…


マリ:「そうか笑まぁそんなもんだろう笑」

マリは怒ることなく苦笑いされた。

ごめん…許して…

おいしいよ…


微妙な空気にしてしまった。

なにかいい話題を考えよう…

あ、そうだ。


マカイ:「なにか手が足りてない職はあるか?

とりあえずなにかして貢献したいと思っているのだが」


マリ:「んーそうだな…特に困っていることもないが…」


顎に手をあててマリが考えこんでいる

職を自分で見つけることもできない俺にも一生懸命考えてくれている。


マリ:「なにか考えておこう。それよりも王のところに一度行ってみるか

お前に”シキ”があるかを判断してもらおう」


お、遂に、おれに能力があるかどうかがわかるのか

王への謁見は少し緊張するが足取りは軽やかだ


さあいこう。


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