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1-4:洗礼の儀

ブックマーク登録&評価してくれたユーザー様ありがとうございます。

本当にありがとうございます!


もちろん登録はしていないけど、読んでるよって方もありがとうございます!

今話もぜひお読みください。


毎日投稿を心がけております。

現在は8時に投稿していますが、別作品と同じく18時にするかもです。

よろしくお願いします。

4話:洗礼の儀



《エレン!マリン!なまえ!ありがとー》


「聞こえる!マリンの声が...姿も見えるわ!でもなんで?」


《う~ん?わかんなーい》


えっ?さっきまで姿も声もわからないって言ってたのに...なんで?...もしかして名前?オレは思ったことをそのまま口にした。


「もしかして、契約している精霊に名前をつけたからじゃ」



「そうなのかも知れないわね。精霊に名前が必要なんて考えもしなかったわ。マリン、はじめまして…というのはちょっと変ね。あなたと契約をしているエレンよ。これからもよろしくね」


《エレン!よろしくー!》


2人?がお互い挨拶すると、母が笑顔でマリンを抱きしめていた。


それを見た父が…


「オレには精霊が見えないのが残念だが、エレン良かったな。とりあえず、朝飯にしようか。その後、アレンを連れて教会へ行こう」


「えーそうね。そうしましょう。マリンはご飯は食べれるのかしら?」


《う~ん。いらなーい。おみずー》


「じゃあ、お水だけ用意しましょうね。アレンも行くわよ」


「はい、とうさま、かあさま」


なんだろう、転生した初日の朝からなかなかハードな気がするよ。




ガタゴト…ガタゴト…


さて、朝飯は豪華な食事というわけではなく、質素な食事だった。


執事やメイドもいたが、3人しかいなかった。


長くハイデルブルグ家に仕えている執事長の【ジョルズ】とメイド長の【ジーナ】とその二人の娘の【ニーナ】の3人だ。


他にもいるのかと思い聞いてみたが、いないとのことだ。想像では、執事やメイドがたくさんいて、もっと豪華なもんだと思ったんだけどな。


男爵って確か、貴族の中では下位貴族だから、こんなものなのか?貴族社会はよくわからない。


ガタゴト…ガタゴト…


今は、馬車で教会へ向かっている途中だ。


馬車は始めて乗ったけど、辛い。なにが辛いって、振動がキツイんだよな。


タイヤがゴム製じゃなくて、木製だからなのと、地面が舗装されていない砂利道でもあるからタイヤと地面の衝撃がダイレクトに伝わって、お尻が痛い。


父も母もよく座っていられるなぁ。


慣れてるんだろうか?オレがお尻の痛みを我慢していると、父からそろそろ着くと言われた。


《エレン!これなーに?》


「これは馬車というのよ」


《ばしゃ!ばしゃ!》


母は精霊のマリンといろいろ喋っているようだ。今まで喋ることができなかった分、喋っているんだろう。二人とも楽しそうだ。



馬車の中から外を見ると、そこには街並みが広がっていた。


決して大きな街ではないようだけど、きちんと統治されているように傍からは見える。


ただ、あまり活気はないようには見えるけど。そんなことを考えていたら目的の教会に着いたようだ。


「アレン、着いたぞ」


「はい、とうさま」


馬車から降りて父と母の後をついていく。少し歩いていくと、教会の中心まできた。


そこには、教会の関係者と思しき人がオレたちを待っていたようだ。


オレたちの姿を見た教会の関係者がこちらに近づいてきた。


「お待ちしておりました、アルリード男爵様、エレン男爵夫人様。こちらの方がご子息のアレン様ですね」


「司祭様、お待たせしました。仰る通り、息子のアレンです。早速、”洗礼の儀”をお願いいたします」


「司祭様、お久しぶりです。よろしくお願いいたします」


父と母が二人して司祭と名乗る男にお辞儀をした。


「はい、それではアレン様、こちらの陣の中心にきてください」


司祭に言われた通り、オレは教会の床に描かれた陣の中心へ向かった。


「それではアレン様、その中心に座っていただき神ミネバ様へ祈りをお願いします」


ミネバ様?あぁ、ミネルバ様のことだな。この世界ではミネバ様って呼ばれているのか。


でもなんでミネバ様?まぁいいか。ってか祈るだけで【職業】を授かるのか?そんなわけはないか。


魔法があるって言ってたから、おそらくこれは魔法陣とかで、それで【職業】を知ることができるとかなんだろう。


オレは中心で座り、ミネルバ様に祈り始めた。すると司祭が祝詞を述べていく。


”神であるミネバ様にご報告致します。


ハーレンブルグ王国ハイデルブルグ領のアルリードとエレンの子、アレンが本日3歳を迎えることとなりました。

彼の者に適した【職業】を示したまえ”


パァーッ!


祝詞が終わると、魔法陣が明るく光った。光はすぐに止んだが、目の前に一枚のカードが現れた。


そのカードを司祭が手に取った。カードには何か書かれているようで、それを見て驚いた顔をしている。


それを離れた場所で見ていた父と母も司祭が驚いた顔を見て近寄ってきた。司祭に理由を聞くために。


「司祭様、”洗礼の儀”は無事終わったのですよね?何を驚かれているのですか?」


そう父が司祭に聞いた。オレも気になる。なぜ驚いた顔をするんだ? すると司祭が答えた。


「失礼しました。”洗礼の儀”は無事に終わりました。アレン様の【職業】カードも出たのですが、その【職業】を私は知らなかったので少々驚いてしまったのです」


「司祭様が知らない【職業】ですか?それは一体?」


「実際に見せた方が早いですね。こちらがアレン様の【職業】になります」


そういって司祭様がさっき出現した【職業】カードというものを父と母に見せた。


「「精錬術師?」」


父も母も知らないようだ。あぁ、そうか。2つの職業を掛け合わした【職業】の適性を持つのは極稀だってミネルバ様も言ってたな。


恐らくこの【職業】は初めて世に出たのかもしれないな。だから驚いていたんだと思う。


「確か、アルリード様は【錬金術師】で、エレン様は【精霊術師】で合っておりましたよね?」


「そうです」


「ええ」


「おそらくですが、お二人の【職業】が受け継がれた【特別職】なのだと思われます」


「「?!」」


司祭様が【特別職】と言ったことに対して、父も母も驚いている。


ってか、そのカード、オレにも見せてほしい。


司祭様が真面目な顔で話を続けた。


「これは新しい【職業】が誕生したのかもしれません。王国にはもちろん、神殿にも報告をしなければ」


「そうですね」


なんだか、大変な事になってきた。大事にしないようにはできないのだろうか。


「えっと、とうさま、かあさま、報告はしないといけないのですか?」


オレの質問に父が返す。


「この国というより、この世界では【職業】は全ての人間が所有するスキルだ。どの国でも、どの【職業】がどのような事が出来るのか、そういった【職業】の情報を管理している。【職業】は多種多様だ。新たな【職業】が誕生した場合は、その旨を王国と神殿に報告をする義務があるんだ」


なるほど、義務なのか。【職業】によっては、国の利益になることもあるし、有力な【職業】なら国が召し抱えることもありそうだ。


その心配もしなければいけなくなるのかな?嫌だなぁ…そう思っていると


「とりあえず、まずはこの【職業】カードをアレン様に。それでどういった【職業】なのかがわかりますので」


司祭がオレに【職業】カードを渡してきた。

オレがそのカードを受け取ると、突然カードに【精錬術師】と書いている以外の文字が浮かんできた。

しかも頭の中にその【職業】の使い方?みたいな知識が入ってくる。知識と言っても概要みたいな感じだ。




【職業】精錬術師

【特性】火・風・水・土の属性を司る精霊に力を借り、精霊術を行使でき、さらに素材と素材を掛け合わせることで違う物質を作ることができる術師である


「どうですか、アレン様?お分かりになりましたか?」


司祭がオレに聞いてくる。報告が決まっているなら隠し事する必要もないから、素直に答えることにした。


「はい。司祭様が言ってたように、【精霊術】と【錬金術】が使えるようです」


「やはりそうですか。アルリード様、神殿には私から報告致しますので、王国へはアルリード様から報告をお願いしてもよろしいでしょうか?もちろん神殿から王国へも報告は致します」


「もちろんです。ハイデルブルグ男爵として王国へ報告致します」


「よろしくお願い致します」


「それでは今日はありがとうございました。エレン、アレン帰るぞ」


父が司祭へお礼を伝え、オレは父と母と一緒に教会を後にした。



何はともあれ、とりあえず【精錬術師】がオレの【職業】ってことだ。これでオレはミネルバ様の願いを叶えていけばいいんだな。


願いがなくても、快適に生活が出来るように、いろいろ作っていこう。


オレは帰宅道の馬車でお尻に追撃を受けた。


なるべく早く、馬車の何とかしよう。


そう決心した。


本話を最後まで読んでいただきありがとうございます。


「面白い」「次話も楽しみ」など思っていただけたら、とても励みになるので、

【評価】&【ブックマーク】登録をよろしくお願いします。


また別作品もありますので、そちらもぜひお読みください('ω')ノ

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