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2-9:あれから5年

読者の皆様、おはこんばんにちは!

Nakiです( ^ω^ )


いつも読んでいただきありがとうございます!


非常に励みになります。


もちろん登録はしていないけど、読んでるよって方もありがとうございます!

今話もぜひお読みください。

32話:あれから5年




あれから月日は流れ、早5年...ついに15歳になったオレは王都にある王立学園へと通う為、来月、王都へと出立する。



この5年間はハウゼン領を開発するため、奔走を続けていた。その甲斐あって、ハウゼン領は5年とは思えないほどの発展を遂げた。



果樹園はハウスが完成し、精霊術で環境を整えることで通常よりも実りが早くなり、美味さも格別。既に出荷販売をしているが売行きは絶好調。



現在は果樹園のスペースを倍以上に広げ、生産活動をしている。この調子で行けば平民たちにも行き渡るのも時間の問題だろう。



ただこれ以上のスペースは現状無理だ。精霊術師の数が圧倒的に足りない。



今、我がハウゼン領のエボルブ商会で働いている精霊術師は『セナ・ミリアリア・シーリン・コニー・エル・キーン』の6人だ。



『シーリン』と『コニー』はオレよりも2個上の女性で、ハイデルブルグ領に住んでいた【精霊術師】だ。



親が精霊術師だったが、親和性が低く契約できず、一縷の望みをかけてこの地へと移り住んだ者たちだ。



オレは定期的に領内を歩き回って(徘徊ともいう)精霊術師であって、さらにムギたちが嫌がらない魔力の持ち主を探していた。



そこで引っかかったのが、この2人だ。2人とも親和性は低いため、通常の精霊契約はできないが動物精霊なら問題ないと言う判断で、2人に契約の話を持ちかけた。もちろん、商会へと入りハウゼン領で働くことを条件にしているが。



2人とも即了承だっため、精霊召喚の指輪で早速契約を始めた。シーリンは【風】の属性を。コニーは【水】の属性との相性が良かったらしい。



シーリンの動物精霊は下級の鳥だ。見た目はスズメ。コニーも同じく下級のウサギだ。



『エル』と『キーン』は友達同士で、王都に住んでいたそうだ。二人とも【精霊術師】が職業だけど契約できず、それでも諦めきれなかった時、【精霊術師】であるオレの話を聞いたそうだ。



既に成人を迎えた二人は二人一緒にハイデルブルグまできたんだと。だけどハイデルブルグに来たものの、領主の息子に会えるわけもなく途方に暮れた時、年に1回行っている夏祭りで出た出店の果物を食べた。



その時、その味に衝撃を受けた二人はこの果物の出どころを調べ、ハウゼン領へとやってきたところでオレを見つけたということだ。



この話を聞いた時、この二人の行動力に驚いた。計画性はないがその行動力には目を見張るものがあると考えたオレは二人が【精霊術師】であり、ムギたちも嫌がる素振りを見せなかったので、二人に商会で働くことを条件に動物精霊との契約を進め、晴れて我が商会で働く【精霊術師】となった。


この二人もシーリン達同様、下級精霊で『エル』は【火】の犬との契約、『キーン』は【土】のモグラとの契約だ。



特にこの二人は果物への情熱が半端なく、【農業士】顔負けの働きをしている。



4人とも今はセナとミリアリアの下で一緒に果樹園の環境調整をメインにしてもらっている。



ちなみにシーリンとコニーの2人の両親も【精霊術師】の職業ということで見てみたが、問題なさそうだから契約するか聞いてみたのだが、既に【精霊術師】の道は諦めて領の事務員として働いているからと丁寧に断られた。



この領では【精霊術師】が精霊と契約できなかった者たちを集めて、仕事の斡旋を領主自らが行っているのだ。そのうちの一つが領の役所仕事だ。



もちろん誰でもなれると言ったわけもなく、いくつか条件があり、そのうちの一つが事務員試験に合格することだ。



別に精霊術師は精霊術師にしかなれないといったわけじゃない。他よりも苦労するが努力すれば別の職業に就くことはできる。



それにここ数年で錬金術師の見方が変わってきたが、それは精霊術師にも当てはまるのだ。その要因は下級精霊たちだ。



その子たちとの仮契約が【精霊術師】の間で流行っているのだ。これは精霊王と話して実験的に実施してみようとハイデルブルグ領内限定で行っている取り組みだ。



この取り組みのお陰で今、我が領は今までにない活気に漲っている。そのほとんどが【精霊術師】だけど。





あれは今からちょうど2年前、オレが13歳の時だ。



オレたちの契約精霊の里帰りという名目で精霊の森へと来ていた時、精霊王から相談を受けたのだ。




「精霊たちが暇してる?」



《そうだ。アレンが生まれた時、精霊たちが大量に進化したことは知ってるな?》



「そんなこと言ってましたね」



《あぁ。その中で一番増えたのは下級精霊たちだ》



それの何がダメなんだ。オレが疑問ですという顔で答えると隣にいた上級精霊のディーネが答えてくれた。



《下級精霊はまだ精神的にも子供で、暇を持て余しすぎるといたずらすることもあるんですわ》



なるほど。そのいたずらが人間たちに降り注ぐと。なんと迷惑なことだ。




《だからガス抜きというかな。オレたちも数が多くなった下級精霊の世話が大変で最近自由に動ける時間もなくてな》



そういうのは上級精霊のサラだ。だから最近、ハウゼン領にきていなかったんだな。それに心なしか疲れている様子も見える。



そういうことならその下級精霊たちにもハウゼン領で果樹園の環境調整をやってもらえればと言ったが、契約していない下級精霊じゃ、そこまでの力は出せないということだ。上級精霊でないと無理らしい。



すると、あれだな。精霊と契約できる精霊術師を増やさないといけないということか。



でも精霊も魔力の選り好み問題や親和性問題があるから、そんな急には増やせないでしょ。


今回の精霊は動物精霊でもないし。





すると精霊王がとんでも発言をした。



《そこでだ。仮契約制度を使おうと思ってな》



「仮契約制度?」



《シル、説明を》



《まったく、面倒くさがらないでくださいよ王様。アレン、仮契約制度というのはね...》




簡潔にまとめると、精霊術師が精霊とパートナーとして契約するのが本契約だが、仮契約はお試し期間というものだ。



仮契約だから力の大半は使えないし姿を見たり聞いたりはできない。けど精霊が、その精霊術師を知るにはいい機会だ。


もちろん精霊が気に入ればそのまま本契約もできるようになるが、人間の時間基準なら数十年は必要だろうという認識だ。



この仮契約で使える精霊術は「火」なら火を灯すぐらい。「水」なら洗い物ができるぐらい。「土」なら簡単な穴掘りぐらい。「風」なら扇風機ぐらいの風量しかでない。


それなら契約しない精霊術の方が威力はあるのだが、契約していない精霊術は、その場にいる精霊の力を行使するから、その場の精霊の属性によって使える使えないが出てくるのだ。


例えば火の精霊術を使いたいと思っても、その場にいる火の精霊がいなければ成り立たないということだ。


でも火の精霊と仮契約すれば、必ず火の精霊術は使えるのだ。それに仮契約でも信頼関係が気づければ、その威力は徐々に上がっていくから決して弱いというわけではないということだ。



その程度の力でも下級精霊にとっては良い暇つぶしになるらしいので、オレはこれを精霊術における生活魔法という位置づけにしようと考えた。




それからオレは母と父に精霊王から聞いた話を伝え、精霊の森以外に仮契約できる場所を設け、そこで精霊術師は下級精霊と仮契約できるようにした。



もちろん、人を傷つける行為で使った場合は、精霊の判断で仮契約も切れる可能性があることなど注意事項は説明しておく。



まぁ普通に動物精霊と契約したほうが力は発揮できるけど、そう簡単に増やせないからな。



でもこれで少しは【精霊術師】の待遇が変わるかもしれないし、生活魔法程度の力じゃ、逆立ちしても軍事力に使おうなんて思わないだろう。




それが今から2年前にあった出来事だ。これにより爆発的に【精霊術師】が精霊術もとい生活魔法を使う場面が多くなったし、精霊たちの気配が多くハイデルブルグ領内で活発的に感じるようになった。



仮契約の為に、我が領に来る他領の【精霊術師】たちもきて、領内で販売している果物類を見たり食べたりし、それを自分たちの領で話を広げ、更に果物の需要が増える。



お陰様で苦労せず、ハウゼン領産の果物は絶大な人気を誇っている。





さて、王都に向かうまであと一ヶ月。やり残しがないようにしないとな。

本話を最後まで読んでいただきありがとうございます。


「面白い」「次話も楽しみ」など思っていただけたら、とても励みになるので、

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