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王の剣の力を  作者: 黒百合
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仲間を捜して歩き続ける

王の剣の力を       

          

~Prolog~


 少年は幸せだった。

 恵まれていた。

 父はこの国の王であり、世界を魔物の手から救った勇者だった。自慢の父だ。

 母は優しかった。いつも暖かく迎え入れてくれた。自慢の母だ。

 兄は優秀な剣士だ。とても優しくいつも面倒を見てくれていた。自慢の兄だ。

 暮らしは何不自由ない快適な日々だった。

 少年の日常は誰もが羨むものだった。



 少年の日常。いつもの何でもない日。それがこれからも続いていくと思っていた。


 そんな日常はある日突然消え去った。


     大好きだった、兄の手によって。


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