権田原のジャケット。<番外編>
一応R15付けたのですが、すごい描写はありません。
「直人。」
ソファでたばこを吸おうとしていた夫、直人に声をかけた。
直人はこっちに振り返った。
「あの…ね?。」
いざ、言うとなるとやっぱり恥ずかしい。勇気を振り絞って、声を出す。
「じ、実は、赤ちゃんができたの。」
「あ、赤ちゃん???。」
タバコがライターをつける寸前で床に落ちた。
直人は口をポカーンと開けている。
「うん、そう。」
「そうか、そうなのか…。」
直人はうなづきながら、煙草を拾い上げた。
そして、思いもよらないことを言いだした。
「俺、今日からタバコ吸うのやめる。」
「え?。」
ヘビースモーカーで一日一箱は吸う、直人が?。
「だって、煙草は赤ちゃんに悪いんだろ。」
直人のその言葉にジーンときた。
おろせ。そう言われたら、どうしようとずっと考えていた。
直人…。
「今、三か月に入ったところなんだって。」
私がぽつりと言うと、直人は、
「俺に出来ることあったら、言ってくれよ。おまえのためになら何でもやる。」
といってくれた。
直人…。私、あなたと結婚して良かったわ。
読んでいただいてありがとうございます。