【エッセイ】夏目瀬石の「冷やし中華はじめました」 #7 還暦前のおじさんがフェルマーの最終定理に挑む その2
少しずつですが、『自由自在算数 小学高学年(受験研究社)』を進めています。いま40数年ぶりに算数の問題を解いているわけですが、意外にも解法を覚えてたりもします。
たとえば整数の計算ですが、たし算・ひき算・かけ算・わり算のまじった計算では先にかけ算・わり算を計算し、その後でたし算・ひき算を計算します。ですから、18+12×5では、
18+12×5
= 18+60
=78
となります。
また( )のある式は、まず( )の中を先に計算します。ですから、15÷(3+2)では、
15÷(3+2)
=15÷5
=3
となります。
久しぶりに数字を前に鉛筆を動かしたわけですが、体というか頭が覚えているもんですね。
新しいことも学びました。“計算のくふう”です。くふうすることによって、簡単に計算できるようにするのです。
たとえば、たし算だけの式はたす順序を変えて計算しても答えは同じになります。ですから、39+35+31+27+23+19+15+11は、
39+35+31+27+23+19+15+11
=(39+11)+(35+15)+(31+19)+27+23)
=50+50+50+50
=200
と、たす順序を変えて計算したほうが簡単です。
また、同じ数を掛けたものを足すときは、掛けられる数を先に足してから、まとめて掛けることができます。たとえば次の式です。
52×87+48×87
=(52+48)✕87
=100x87
=8700
以上のように計算すると明らかに楽ですね。頭のいい人だったら、教えられるまでもなく、問題を見た瞬間にひらめくんでしょうね。
そしてこれは仕事や社会生活においてもあてはまるのではないでしょうか。なににおいても要領のいい人っていますからね。私みたいな凡人には思いもつかない発想で、すいすいと仕事をこなしていく人が。頭が柔軟なんでしょうね。本当にうらやましい限りです。
そうかと思えば、愚直な人もいますよね。先の例でいえば、正面突破で前からガリガリと計算していく人が。不器用ですが、ひとつずつ着実に仕事をこなしていくタイプの人が。でも憎めないんですよね、こういう人。見ているだけでなぜかほっと安心するのも、このタイプの人なのかもしれません。
他方で、自分のやり方に固執する人もいますよね。こういう簡単なやり方もあるよ、とアドバイスしても、おれはこのやり方でいいんだ、と拒絶する頑固な人。
うーん、人間ってなかなか難しいですね。
でもまあ、いろいろな視点を持っておくこと、物事を多角にとらえる目を養っておいて損はないでしょうね。ましてやフェルマーの最終定理に到達するのに、この思考の柔軟性は必須かもしれません。それとともに、あせらず、ひとつずつ問題をこなしていく愚直さもおそらく不可欠な能力なのでしょう。
ところで、算数っていいですね。数字を使っていろいろと考えることは、いわば頭のトレーニングですね。ジムに通って体のトレーニングをするように、問題を解いて頭の運動不足を解消する。
フェルマーの最終定理まではまだ長い道のりですが、一歩一歩、亀の歩みで頂上を目指していきたいと思います。




