序章
この物語はフィクションです。
人は飛び降り自殺をする時、何故靴を脱ぐのだろうか。
この世と境界線を引くためだろうか。それとも、自分がここにいたという最後のメッセージのようなものなのだろうか。死ぬ前に思っていることなど結局のところその人自身しかわからないのだと思う。
自殺者が増え続けた日本は対策として自殺を登録制にする事になった。
自殺を志願するものは、死を望む理由を提出し、カウンセリングを受け、審査の末に''正当な死''と認められたら最後は安らかに逝けるようにと安楽死が許可される。しかし、これは誰もが審査を通れるわけではなく、なかには死にたくても審査に通らずに苦しんでいる人もいた。審査を通ることができなかった者たちは、限界を感じ制度の外で死を選んだ。審査をせずに自殺をしたり志願するものを「違法自殺志願者」または「違法自殺者」と呼ぶようになった。自殺者を少しでも減らしたいと思っている政府は、その一歩としてどうやったら「違法自殺志願者」を少なくできるか考えた末に、説得させるために誰かを派遣しようという結果になった。しかし、うまくはいかなかった。何故生きていかないといけないのかと涙する志願者の質問にうまく答えられなかった人がいなかったからだ。失敗続きのなかある発明家がアンドロイドを紹介した。そのアンドロイドは''心''をプログラミングし、「違法自殺志願者」に寄り添いながら質問に対しても正確に答えられるという。
そうして「違法自殺志願者」に寄り添うアンドロイド「セラヴィ」が誕生したのだった。心をプログラミングされた彼女に課せられた使命はただ一つ「違法自殺志願者」を減らすことだ。
次回、「セラヴィ」は使命を果たすため動き出す…




