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第23話:若い芽

1/3 

セーフハウスのモニターに、無数のリストとグラフが並ぶ。


光の声が低く響いた。


《被験者データ、全件照合完了。年齢分布は——10代から20代前半に集中》


蓮司はソファに横たわったまま、重い瞼を無理に持ち上げて画面を見た。


身体を起こそうと肘に力を込めるが、すぐに崩れるように沈み込む。


呼吸は浅く、額には冷や汗が滲んでいた。


「……子供と、まだ若い大人ばっかじゃねえか」


掠れた声は、ほとんど呻きのようだった。


真鍋が淡々と補足する。


「身体が丈夫で回復力も高い。治験側から見れば“使い勝手がいい”んだろう」


朝比奈が横目で蓮司を見て、眉をひそめる。


「……無理に起き上がるな。そのままでいい」


2/3 

朝比奈は腕を組み、画面をじっと見つめたまま吐き捨てる。


「年寄りが若い芽を摘んで、自分たちの延命に使ってる……まるでこの国の縮図だな」


榊原が小さく息を呑む。


「……本当に、命の選別なんですね」


光が静かに続ける。


《さらに調査を進めます。対象は全員、家族構成が限定的。抵抗や追及の少ない環境が選ばれている可能性があります》


3/3 

蓮司は横になったまま拳を握りしめ、かすかに身体を起こそうとしたが、力が入らずに再びソファへ沈んだ。


「……人の未来を、勝手に切り捨ててるってことか」


その声には、怒りと同時にどこか焦燥が混じっていた。


真鍋が画面の別リストを示す。


「最近になって対象年齢がさらに下がってる」


そこには、まだ中学・高校の制服姿の子どもたちの顔写真が並んでいた。

※本作品はフィクションです。実在の人物・団体・名称などとは一切関係ありません。作中に登場する病気(双極性障害など)の描写は、物語上の演出として描かれています。実際の病気については、必ず専門の医療機関にご相談ください。

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