7話 2人の助走
☆彡
「ごめんなさい。これキーホルダー代」
「いいよ。あたしは気にしない」
「でも、悪いのは私だから」
「金の話なんていいからさ。
またピアノ弾いてよ」
「そ、それは・・・」
「いいだろ?」
「うん」
☆彡
「みゆきは進路どうするの?」
「テキトーに就職」
「ほんとテキトーだなぁ・・・。
ウチもお母さんに就職しろって言われてるけどさ。
進学は考えてないの?」
「ないない。
てか、大峰はだいたいみんな就職だよ」
「専門とかは?」
「そういうのは、あんまり聞かねぇなぁ。
ウチのお姉ちゃんも就職だったし」
「奨学金っていうのがあるんだよ。
学校に行くためのお金を借りられるの」
「・・・知らんかった」
☆彡
「慶子はピアノどうすんだ」
「できれば、やりたいんだけど」
「そーゆーことはさ、
ちゃんとママに言ってみろよ」
「うーん。大丈夫かなぁ?
てか、みゆきってお母さんのことママって呼んでるの?」
「なんだよ? おかしいかよ」
「ううん。おかしくなーい」
「あっ、今バカにしただろ?」
「あはは」
☆彡
「ピアノ。また始めたいって、お母さんに言ってみた」
「そうか。やったジャン」
「うん。みゆきのおかげだよっ」
「ま、気にすんな。あたしも、進路のこと教えてもらったし」
「うん。一緒にがんばろうね」
「ああ」
☆彡
「いやだよっ」
「てめぇ、いつまでひとりでいるつもりなんだクソが」
「みゆきってば、口悪すぎない?」
「イイからとにかく、みんなの前で弾いてみろって。
イッキに人気者だから」
「そんなものかなぁ・・・」
☆彡
「大成功だったろ」
「うん。みんなと友達になれてよかった・・・」
「割とみんないいヤツなんだよ。田村とか」
「うんっ。田村くんおもしろい」
☆彡
「今度さ、ケーコの制服とあたしの制服とりかえっこして
登校してみようぜ」
「それ。ちょっと面白そう」
「だろ? 明日さっそく」
「うんっ」
2人は友情を深めていく。
だがある日、事件が起こった。
ありがとうございました。
次話もよろしくお願いいたします。