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『ご都合主義の』 お題:明日の正義 制限時間:15分

 人を殺してはいけません。昨日まではそれが正しかった訳だが、今日はどうやら違うらしい。となると明日が気になる訳で、などと思うことで僕はなるべく今の状況について考えないように努めた。

 明日は何が正しいことになるのだろう。気になるなあ。気になって仕方がない。明日のことしか気にならない。と、思い込むことで僕は震える手足をなんとか抑え込んでいる。

 足音が聞こえたので、抑えたはずの震えは瞬く間に蘇ってしまった。僕の隠れた倉庫は似たような段ボールがあと五百個ほどあるので、多分バレないと思うが、バレないと思いたいが、バレないだろうと思うが、思いたいだけで、そんなに信じてはいなかった。多分バレるだろう。そして僕は田道や本藤みたいにバラバラにされたりなんかしちゃったりする訳だ。明日まであと二時間十五分もあるので、多分僕は見つかるだろう。そもそも、明日の正しさが『人を殺してはいけません』になる保証も特にない。

 何が正義かわからなくなったので正義を一律にしようとして、一律にする為に人ならざるものの手を借りた結果、正義はめちゃくちゃになってしまった。一日ごとに何が正しいかも分からなくなる。結局みんな、自分にとって都合が良いものだけを拾い上げて、好き勝手に生きている。そう考えると、結局あまり変わらないのかもしれない。

 足が冷たい。倉庫って寒いんだなあ、と呑気を気取って恐怖を誤魔化した。まだあと二時間と十三分もある。

 誰かあのバグった『神様』を直しに行ったりしてくれないだろうか。もしくは時間を戻して誰か正義を一律にしようとしたアホをとっ捕まえてくれたりしないだろうか。しないか。しないだろうな。

 多分、明日それが正しい行いなのだと決まったとしても、みんなやりには行かないだろう。自分にとって都合が悪いから。そういうもんだ。

 碌でもないよな、とぼやいた僕の頭上で段ボールの蓋が開いた。


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