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レリーナ1

レリーナ視点。


 ――私の名前はレリーナ・バローナム。


母は平民、父は子爵。

兄もいるけれど近衛兵なので王城の近くにある独身寮に住んでいるらしい。


そんな事はどうでもいいの。

母が平民の為、父とは今まで一緒に住めなかったのだけど、母が死んだ事で父が子爵家に呼び戻してくれた――全く。迎えに来るのが遅いくらいだわ。


でも子爵家に来たからって特別何かが変わるわけでもなく、市井で暮らしていた時よりかは豪華な生活が出来るようになったって事くらいかしら?

ドレスも好き放題買えるとかじゃないけど、まあ、困らない程度、くらいね。

宝石はそんなに買えないのが不満だけどね。


貴族学院に入学する歳になって、お父様が貴族としての役割を果たしなさいと言った。

貴族としての役割っていうのは結婚よね?

子爵家より爵位の高いところに嫁げば、今より全然いい生活が出来るわ。

ドレスも宝石もたくさん買えるし、美味しいものも食べれる。


入学して早々、男の子達が私の周りに群がってきた。

なんだ、私ってばモテるんじゃない!

その内、伯爵家の嫡男といい感じになった。

婚約者がいるって話はクラスの女の子が言ってたのを聞いたけど、そんなの私には関係ないわ。

だって、彼を繋いでおけなかった婚約者が悪いんじゃない。


でもしばらく経つと、彼が学院に来なくなった。

他の男の子に聞けば、どうやら領地に帰ってしまったんだって。

婚約者には捨てられたらしい。

どうしてその後、私にプロポーズしてくれなかったのかしら?

そしたら私は伯爵夫人になれたのに。


でももういないなら仕方ないわ。

次にいきましょう。

他にも侯爵家の次男や、子爵家の嫡男などたくさんいたけれど、皆駄目だった。

その内、何故か学院を辞めさせられて、家から出ないように、なんてお父様に怒られたけれど意味が分からないわ。

そんな事してたら誰とも結婚出来ないじゃない。

だから夜、抜け出したりして仮面パーティーとかに参加したの。

そこではお互いにお互いの事を知らない相手とイチャイチャしたり出来るの。

やっぱり私は人気者で、何人もの男達が群がってきたわ。

少し胸を当てるだけで皆鼻の下を伸ばしてるの。

男ってば分かりやすいものね。


ある日、お父様にある夜会に参加しろと言われて向かった先で、とっても素敵な男性に出会ったの!

輝く金色の髪に、澄んだ青空のような青い瞳をした美しい男性。

相手も私に惹かれたみたいで、無意識に二人で手をとって踊ったわ。

踊り疲れるくらい二人で踊って、休憩室に行って二人きりでソファーに座って会話を楽しんだわ。

びっくりする事に、彼はこの国の王様だったのよ!

本当にびっくりしちゃったわ!

でも彼も私の事を気に入ってくれたみたいで、初めて会ったのにも拘わらず、恋人になれたの。

本当に夢みたい!


帰ってすぐお父様に報告したわ。

そうしたら倒れちゃって大変!

執事がお父様を部屋に運んでくれたのだけど、そんなに嬉しかったのかしら?

取り敢えず、私はお風呂に入って、ベッドに潜ったけれど、胸の高鳴りは治まらないまま。


今までの男達と結ばれなかったのは、私が王妃になる為だったのね!

彼と出会えた事はとんでもない幸運だわ。

子爵程度の男としか結ばれなかった母より私は魅力的なのよ。


ああ、本当に夢みたい・・・。

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