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オレリアン1

本編後のオレリアンの話。


 ――リシャール王国の国王が離縁した。


この情報は、離縁が成立した同時に国民に通達され、諸外国にも広まった。

神聖国でもある王国の、それも国王が離縁するとは普通ならばありえない事だ。

国民は当然驚いたし、何より、教会にも孤児院にも顔の広い王妃がリシャール王国を出てしまうとあって、騒然とした。

しかし、それはもう止めようもなく、尚且つ、王妃の父で国内唯一の公爵まで爵位を返上し、この国の王子殿下二人も王妃について国外へ出るというではないか。


国民は、この国の未来を憂いた。



「陛下。本当によろしいのですね?」



国王の執務室にて。

シュットフェル教会のソロム大司教と、リシャール王国議会議長のドローシア伯爵は、執務机に座るオルレアンの前に立っていた。

話はオレリアンの再婚問題について。

元王妃・ソフィアと離縁した事によって、二人の王子達も王家を離れた。

国を存続させる為には、オレリアンの後継が新たに必要となる。

よって、オレリアンの再婚が認められたのだが、そこには問題があった。



「お相手はバローナム子爵令嬢とありますが・・・まあこの際、爵位の低さは問いません。ヴォルフレー公爵家はなくなった事で侯爵家の一つは公爵の名を叙爵させますし、お相手の家の爵位も伯爵位程度に上げればいいわけですから。しかし、爵位を気にしないとはいっても後は本人の性質の問題でして・・・」

「本人の性質、だと?」



ドローシア伯爵の言葉に、オレリアンは片眉を上げた。

これからする言及に冷や汗の止まらないドローシア伯爵に代わり、ソロム大司教が続ける。



「陛下、彼女について、きちんと調査されましたか?」

「・・・いや。バローナム家の長女であるというのは本人から聞いたが・・・」



それを聞いたソロム大司教は、溜息を吐いた。



「仮にもソフィア様に代わって王妃となる事を求めたのですから、きちんと身元を調査しなければ。王家に不穏分子を入れるわけにはいかないでしょう」



それを聞いたオレリアンはむっとした表情をした。

しかし、見ない振りをしたソロム大司教は、手に持っていた資料をオレリアンの前に差し出した。



「レリーナ・バローナム。子爵家の養女(・・)で、母親は平民。父親は現バローナム子爵ではなく、彼の妻の兄の子だそうです。その義兄も家を出て平民でしたが、事故で亡くなられたようで。そこでバローナム子爵が身寄りのなくなった彼女を引き取り、養女としたそうです。まあバローナム子爵家にはきちんと嫡男がおりますので、嫁ぎ先を探す為に例の夜会に参加させたそうですが・・・そこで陛下とお会いになられたという事ですね」



おれの聞いた事のない情報がつらつらとソロム大司教の口から聞かされる。

そして、オレリアンの資料に記されていたのは、その情報だけではなかった。

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