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眩しさの中、最初で最後の恋をした。  作者: 織原深雪


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9


課題や復習をしつつ過ごせば、あっという間に世間はお盆を迎えようとしている。


今年、お姉ちゃんと宏樹くんはこの時期に合わせて休みが取れた。

そんな二人が出かける話をしていた時、私も近くで日菜子達とBBQでもしようと思うとお母さんに話していた。

すると、その側でお姉ちゃんと話していたアウトドア大好きな宏樹くんが言ったのだ。


「それなら、俺と和紗が休みの時にみんなで泊まりがけでキャンプに行こう! 楽しいぞ!」


その言葉の響きに私も乗って、日菜子達にも相談すれば各家庭私のお姉ちゃんやその彼氏である大人の付き添いがあるので、お泊まりキャンプへ行くことが許された。


お盆の混雑時期にキャンプ場の予約が取れたのは宏樹くんのおかげ。

宏樹くんは芸能人も通う、雑誌などのメディアで取り上げられる有名な美容院で働いてる美容師さん。

いずれ独立するために、今は有名店でひたすら修行しているという。

器用な宏樹くんはたまに家に遊びに来ると練習になるからと、毛先や前髪をカットしてくれる。

ここ数年は茜のお母さんより、私の髪を切る美容師さんは宏樹くんだ。

もちろん、お姉ちゃんも宏樹くんにカットや髪染めをしてもらってる。


そんな宏樹くんのお客さんにリゾート経営の会社の社長の奥様が居るらしく、彼女やその妹と妹の友人を連れてキャンプに行く予定だと接客しつつ話したら、施術を終えて帰る前にその奥様が旦那様に事情を話して経営しているキャンプ場を一泊押さえてくれたのだ。


宏樹くんの仕事柄もあるけれど、人脈の広さには驚かされる。


キャンプの予定を立てたのは1ヶ月を切っていたのにも関わらず、宏樹くんのツテを駆使して無事にキャンプ場も予約出来てキャンプに行けることになったのだった。


そうして迎えたキャンプ当日。

集合は学校の最寄り駅。

駅のロータリーに車を停めると、様子を見ながら待ってたのか直ぐに三人は気づいてロータリーに着いた宏樹くんの車に近づいてきた。


「おはよう! 有紗。いい天気で良かったよね!」


弾んだ声の日菜子は今日も元気いっぱいだ。


「おはよう、有紗ちゃん。お姉さん、彼氏さん。今日はよろしくお願いします」

「よろしくお願いします」


男子ふたりはしっかりご挨拶。

それに気づいた日菜子も慌てて、挨拶する。


「今日は私達も一緒に誘ってくれてありがとうございます! よろしくお願いします」


そんな三人をお姉ちゃんと宏樹くんは微笑ましげに見て、返事をした。


「こちらこそ、誘いに乗ってくれてありがとう。キャンプは人数が多い方が楽しいからね! みんなで楽しもう」


「はーい!」


高校生組は元気に返事をして、宏樹くんの大きなワゴン車に乗り込んだのだった。

ここから、キャンプ場までおよそ二時間。

車内でも和気あいあいとお喋りをして、気づけば辺りは緑が目に鮮やかに飛び込んでくるような場所に来ていた。


「そろそろ目的のキャンプ場に着くからね!」


事前に食材や必要なものの買い出しは、お姉ちゃんと宏樹くんが済ませてくれた。

お姉ちゃんたちに任せてばかりで申し訳ないから買い出しには私もついて行くと言った。


しかし、お姉ちゃんからの返事はノーだった。

『デートのついでに買いに行くから気にしなくていいの!』

そう言われてしまえば、お邪魔は出来ないのですごすごと引き下がったのだった。


なんだかんだお姉ちゃんと宏樹くんは仲が良くて、ラブラブなのだ。


そんな事前準備のことを振り返っているうちに、無事にキャンプ場へとたどり着いた。


車から降りると、空気から全く違う。

そばには、緩やかに流れる川があり、そこから少し離れるとテントを張るスペース。

さらに奥にはバンガローという、小さな小屋がある。

今回私達はバンガローをひとつ借りて、みんなで雑魚寝で一泊することになっている。


まるで小学生の頃の野外活動のキャンプと同じ感じで、とっても楽しみだった。


ちなみにここは天然温泉も近くから出ているので、お風呂も入れるちょっと珍しいタイプのキャンプ場なのだった。


「すごい! 空気がおいしいってこういうことなんだね!」


私も久しぶりの山の中ではしゃいでしまう。


みんなもなかなか普段来れない自然の中で、大きく伸びる。


「本当に空気が違うね! 澄んでるって言うか、これがマイナスイオンか!」


実に日菜子らしい言い方に、みんなもニコニコしながらこの空気を味わう。

味わうというのが正しいくらいここは、とっても気持ちがいい。


お昼はこのキャンプ場が準備している名物の流しそうめんに挑戦だ。

既に流すレーンは作られているので、あとは各々が素麺さえ準備すれば自由に使って大丈夫だという。


その案内をキャンプ場の説明に見つけた時に私達はなかなか出来ないしお昼は移動してすぐになるから、これにしよう! とお姉ちゃん達にも提案して決まっていた。


素麺を茹でて、準備万端!

私はまず流すのがやってみたくて、スタンバイしてるみんなに声をかけて流し始めた。


「それじゃあ、いくよ!」


流した素麺をまず、ガツッと掴んで食べたのは蒼くん。


「んー! 美味しい!」

「なー! 私の素麺!」

「いやいや、日菜っち。これは早い者勝ちよ?」

「あー! 次は取る!!」


なんて会話を繰り広げながら、楽しくお昼を食べた。

もちろん私も途中からお姉ちゃんと交代して食べたけれど。

流しそうめんを綺麗にとって食べるのはコツがあるようで最初はなかなか掴めなくて、日菜子や要くん達に笑われながらも奮闘して素麺を食べた。


かなり楽しかった。


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