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眩しさの中、最初で最後の恋をした。  作者: 織原深雪


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8


「ねぇ、いったい何本買ったの?」


聞いてる日菜子は呆れ顔だ。

私は驚いた顔しか出来てないと思う。


「ん? 20本ずつ、いろんなの買ってきたよ!モモにネギマにつくねにぼんじり、軟骨もあってね! 塩とタレに分けてきたよ!」


それはそれは得意そうに返事をした蒼くん。

隣の要くんも、心なしかウキウキした空気を出してる。


「他にも屋台の食べ物はいっぱいあるのにそんなに食べるの?!」


日菜子のツッコミはごもっとも。

私もびっくりしてたくらいの量だから。


「ん? みんなで食べればすぐ無くなるよ! 俺と要だけでコレ三分の二は食べるし」


そんな自信たっぷりの返事に、私と日菜子は、顔を合わせて笑いだしてしまった。


「え? なんかおかしいの?」


蒼くんは、訳が分からずキョトンとしている。


「それじゃあ、少しどこかに落ち着いて食べよう」


少し行った先の駐車場のタイヤ止めに座りつつ、みんなでワイワイと焼き鳥とかき氷を食べる。


宣言した通り。

私は各種を1本ずつ、日菜子はモモとぼんじりは2本とその他各種は1本ずつ食べて、あとの残りは男子二人の胃袋にすんなり収められてしまった。


運動部の男子高校生の食欲は、やっぱり凄いんだと実感した場面だった。


食べ終われば、再び屋台の方へと繰り出す私達。

男子は射的をしたり、私はキャラクターのベビーカステラを買ったり、みんなで1パックのたこ焼きや広島焼きを食べたりして楽しく遊んで周りが暗くなる頃、花火の打ち上げアナウンスが流れ始めた。


その頃には再び食べ物を買って私達は見やすい公園の一角へ移動していた。

そこでポテトや唐揚げ、チーズ揚げにりんご飴、焼きそば、とうもろこし等をみんなでつまみながら打ち上がる花火を見上げる。


上がる花火はニコちゃんマークの変わった花火から色が変わっていく大玉や、しだれ柳のように降ってくるもの。

次々に打ち上がる花火はどれも綺麗で一瞬で消えてしまう……。


きっと、こんなふうに見られる花火は今年が最後だから……。

私は空から目を離さずに、打ち上がる花火を見つめていた。


「有紗、このチーズ揚げ美味しいから一緒に食べよう?」


声をかけられるまで十分堪能した私は、笑顔で振り返り日菜子や蒼くん、要くんと食べつつ話しつつ、夏の風物詩を満喫した。


きっとこの思い出は、私から消えることは無いだろう……。


今年の夏、私はたくさんの思い出を作るために動くと決めたから。

それに応えてくれる、素敵な友人とお姉ちゃんに宏樹くんがいるから。


まだまだ始まったばかりの夏休みは、きっと充実するだろう……。



花火の打ち上げも終わり、周りも帰路につき始めたので名残惜しい気持ちを抱えつつ、私達も帰る支度を始めた。

ゴミをまとめて、持ちつつ要くんと手を繋いで歩く。

人混みの流れに合わせて、ややゆっくりと進む。


「花火も綺麗だったし、みんなで食べたり騒いだり楽しかったね!」


顔を見ながら言うと、要くんは優しい顔をして返事をくれる。


「あぁ、綺麗だったな。みんなで遊ぶのも楽しかったし、今日一緒に来られて良かったよ」


今回のお祭りは私の地元なので、これから三人は駅へと向かい電車で帰るのだ。

きっと駅はごった返しだろう。

私だけ先にうちに帰れちゃうのが、今回のお祭りに行こう! のお誘いで少し引っかかってたところだ。


ただ、市内で有名なお祭りなので毎年行ってると3人が言ってくれたので一緒に行きたいと言えたのだった。


ゆっくり歩いても会場から家までは実は徒歩五分。

花火は実は、家から見えたりする……。

でもみんなで過ごしてみたくて、今年はみんなと回ることを提案した。


誘って来てもらって、一緒に過ごせてとっても楽しかったのでお誘いは大成功だったと言えるだろう。


そうして三人で私を家まで送ってくれた。

家から駅までは徒歩でも15分くらい。

充分徒歩圏内である。


「今日は本当にありがとう!とっても楽しかった!次は8月にみんなでキャンプに行こうね!お姉ちゃんと彼氏さんが車出してくれるから」


次の約束を持ち出した私に三人も頷いて答えてくれた。


「もちろん、楽しもうね!」

「本格的なキャンプなんて初めてだから俺もワクワクしてるよ!」

「お姉さんと彼氏さんにお世話になるな。よろしく伝えてくれ」


「うん! 伝えとくね!」返事を返して、そうしてうちの前で別れた。


夏休みの予定はまだまだたくさん。

始まったばかりのこの夏を楽しい夏にするために……。


私はまた今日からしっかりキャンプの準備を始めるのだった。


かなり、ウキウキと楽しさを滲ませている私の姿を家族は嬉しそうに見守ってくれていた。



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