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眩しさの中、最初で最後の恋をした。  作者: 織原深雪


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4


「日菜子自身は水を得た魚ね。楽しくて仕方ないみたい」


とっても楽しそうにサーブを決めてく日菜子。


「私、このまま日菜子が勝つと次で当たるのよね……」


ちょっと嫌そうな茜。


「でも、あのサーブなんとか出来るの茜くらいじゃないかな?」


私が言うと、要くんと蒼くんが驚いて茜を見る。


「え? 茜ちゃん経験者?」

「あの力技サーブなんとか出来るのか?」


二人は驚いている。

知らなきゃ分からないわよね。


「あ、茜は中学時代がバレー部でね。関東ベスト4入りしてた時のキャプテンでアタッカーだよ? 高校では辞めちゃったけど、私立高校からスカウト来てたくらい上手なの」


ニコニコと伝えれば、二人は納得して頷くと言った。


「あれとの対決楽しみにしてる」

「日菜っち悔しがりそうだね」


二人はそれぞれ言うと、試合に向き直る。


いい音は続き、日菜子のチームはしっかりと勝利をもぎ取ってきた。


「有紗! 勝ったよー!」


ぴょんぴょん元気よく戻ってきた日菜子を撫でつつ、言った。


「次の試合は茜とだよ?」

「えぇ!! チーム競技とはいえ、あの茜ちゃんと? 茜ちゃん調子は?」


それにピースで返事する茜は既にやる気だ。


「お手柔らかに、お願いします」


あの日菜子の態度に男子二人が驚いてるんだが、それをものともせず返すのが茜だ。


「私が勝負事で手加減すると? しかもバレーで」


がっくり項垂れた日菜子は言った。


「せめて、せめて決勝で当たりたかった……」


「チーム対戦表の運が悪かったわね」


私はそう返したのだった。


「負けないからね」


実に楽しそうに茜は返すので、男子はやり取りを見るばかり。


「茜ちゃん。有紗ちゃんと家庭科部なんだよね?」


「でも、家庭科部は週一だからね。それ以外では趣味でフットサル、バレー、ラクロスまでこなすスポーツ女子だよ?」


それを聞いて驚く二人は、日菜子の肩を叩いて言った。


「ま、頑張れ」

「これは、仕方ないね。日菜っちファイト」


日菜子を慰めるのだった。


「ぐッ! 全力は尽くす。けど茜ちゃんとの対戦だけは勝てる気がしない……」


「ま、私一人じゃどうにもならないから、どう転ぶかは分からないけどね?」


そうして、二試合後この対決は始まり。


日菜子のチームは奮闘するも、茜の容赦ないアタックにより日菜子のチームはここで敗退となったのだった。


「やっぱり勝てなかったー!」


そう悔しがりつつも、とても楽しそうに笑って帰ってきた日菜子。


「茜ちゃん! 今度テニスしようよ!」


「あー、テニスは初心者だよ?」


「いや、茜ちゃんならすぐ出来る!」


それには、私と男子二人はすっごい首を縦に振り同意を示したのだった。


そんな楽しい球技大会は、二日目。

男子のバスケは決勝敗退。


女子のバレーは二回戦で敗退。


サッカーは準決勝敗退。

野球は優勝して我がクラスは総合優勝!


先生がお菓子とジュースを差し入れてくれて、教室で打ち上げをして終わった。


「バスケは本当に惜しかったね」


「あの3Pが入ってれば」


「仕方ないさ、あっちには巨大な壁が居たからな」


「ま、こんなもんよね。体育祭は勝つ! 打倒茜ちゃん」


そんな日菜子を三人で笑いつつ、飲んだり食べたりして帰宅。


明日は終業式。


明後日からは夏休みが始まるのだった。


今年の夏は何が出来るかな。


みんなと夏祭りに行きたいな。

花火大会も。


海に遊びに行くのも良いし、キャンプとかも面白そう。


やりたい事はいっぱいある。


楽しい夏休みにしたい。


そう思いながら、今日もワイワイしながら四人で帰路に着いたのだった。


夏の太陽は燦々と降り注いでいた。


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