2-1 再び檻の中
目を覚ましたら檻の中にいた。
あれ、最近も檻の中にいた経験があるような。
デジャヴを感じながら、思考が定まらない脳を覚醒させる。
今いるのは鉄の檻の中。
打ちっ放しのコンクリートの上に横たわり、意識すれば体がだいぶ冷えていることに気づいた。
「寒っ!」
なんだ?なんで俺はこんなところにいるんだ。
周りを見ると、質素な毛布があったので手を伸ばして取り、体を包む。
他には手が届かない位置に格子がはめ込まれた窓と簡素なトイレがある、元いた世界でいう留置所のようなところだった。
昨夜のことを思い出す。死の危険を乗り越えた俺は酒を浴びるように飲み……
「やっちまったか」
思わず頭を抱える。
元いた世界でも酒が好きでよく飲んでいたが、留置所にぶち込まれるほど泥酔したことはない。
異世界に転生した興奮やら不安で限界以上の量の摂取してしまったのだろう。
酷い頭痛もする。喉も渇いている。吐き気がないのは嬉しい。でも酷い状態だ。
どうしたものかととりあえず毛布に包まって思案していると、遠くからこちらに歩いてくる音があった。
「無銭飲食ってだけだし、初犯だから今回は厳重注意で済むけどね」
「申し訳ありません。私の監督不行き届きでした……」
やがてその声の主は俺の檻の前で止まった。
それは看守らしき男と、昨日俺の命を救ってくれた僧侶のアルクレアだった。
「やっほートウマくん。迎えに来たよ」
アルクレアはなぜか申し訳なさそうな表情でこちらにはにかんだ。
「おら、さっさと出ろ酔っ払い」
看守が慣れた手つきで檻の鍵を解いた。
「ああ……」
立つと立ち眩むような、足元はおぼつかず、思わず檻に寄りかかってしまった。
「おいこら!酔っ払い!さっさと僧侶様と一緒に出て行けや」
「こりゃ相当やられてるね……」
するとアルクレアは俺の額に手を置き
「ポイズンヒール」
一瞬、体が淡い光に包まれる。
先ほどまでの鈍痛は消え、しっかり立つことができそうだ。
「飲み過ぎは体に毒だぞ勇者くん」




