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第3話 買い物

真っ白いパーカーに黒のランデニムを履いて外にでる。普段ならばチノパンを履いていたところだが、今日は買い物で色々と回りそうだったから動きやすいものを選んだ。


一方の香菜はというと、相変わらずのチェックの制服だ。少しだけ周りの目が痛い。


「ねぇ」


「どうした?」


「はたから見たらこれ援交してる大人と学生だよね」


「そういうことは言うな。気にしないようにしてるんだから」


「へぇ〜。手、繋いであげようか?」


「繋がんでいいわ!」


フフフと香菜は笑う。警察に職質でもされたらどうしよう。


「ちょっと、君。警察だけど。年齢と名前を教えてくれるかな」


「香菜、脅かすなよ……」


「ごめんごめん」


思ったより香菜はいたずら好きなようだ。道中では香菜にからかわれまくったが、警察に呼び止められたりなどは特になく、予定通り店に着いた。


「じゃ、服を選んでくれ。言っておくがあまり高いものは買えないからな」


「はいはい」


色々な服に香菜は目を通していく。灰色のパーカー、カーキ色のジャケット、真っ白なニットウェア、赤いブラウス。シンプルで安いものを手当たり次第に見ていく。


「思ったんだけど、全部長袖のやつばっかじゃないか?袖が短いのとかは買わないのか?」


「うん。……あんまり袖が短いのは好きじゃないの。腕が見られるのが嫌だから……」


「そっか。ま、好きなやつにすればいいんじゃないか」


「うん。ありがとう」


一昨日と比べるとだいぶ警戒心がとけてきたな。少しだけ笑顔を見せる時が増えた気がする。普段のジト目は相変わらずだが……。


「じゃ、着替えてくるね」


「あってるかどうかみてやろうか?」


「大丈夫。似合ってるかどうかなんて自分でわかるから」


香菜がニコッと微笑む。ジト目もいいが、やっぱり笑顔もいいじゃないか。なかなか可愛いかも、なんて。俺の方もだいぶ香菜に対して、打ち解けてきたのかもしれない。正直なところ、いつかは親元に返さないといけないし、香菜にほだされすぎるのはまずいと思ってる。だけど、それは無理な話だ。あんな境遇を聞いて、情に流されない人間は相当な冷血漢だ。俺は優しくて人情味あふれるいい男だからついつい情に流されてしまう。


「決まったよ。お会計お願いしてもいい?」


「もちろん。ってかお前じゃ払えないだろ」


「えへへ。そうなんだけど、一応ね」


服を買って微笑むその姿はどう見ても年相応の可愛らしい少女だ。彼女が心に大きな傷を負っていることなど、だれがわかるだろう。やっぱり年相応に微笑む香菜の方が好きだ。


「帰ろうか」


「うん。今日は服を買ってもらったから気合い入れて作るよー!」


「おう。期待してるぞ」


やっぱりこの年頃の子は元気で笑顔じゃないと。香菜を見て、ふと思った。また、一緒に出かけようかな。


「君、ちょっとお話しいいかな?」


「え?」


やっぱり中学生の女子と一緒に外にでるのはやめようかな。

お久しぶりです。なかなか時間が取れず小説を書けなくて辛い……。


新生活に慣れるまでは更新速度、亀之助になると思いますがどうかご容赦ください。

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