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第2話 告白

「私さ……ホモなんだ」


「……そうか」


重苦しい沈黙がその場を支配した。何か言った方がいいのだろうが、言うべき言葉が見当たらない。当たり前だ。


「私ね。好きな子がいたの。幼馴染で、ずっと昔から好きだったの。だから、告白したんだけど、振られちゃった」


無言で頷く。


「何がいけないんだと思う?……私が女だから?女の子が女の子を好きになるって、行けないことなの?キモいことなの?」


「それは……」


俺がここで軽々しく答えていいのだろうか。声を震わせながらも喋る、この少女を俺のなけなしの言葉なんかで慰めていいものなのだろうか?


「男のどこがいいの?下品だし、うるさいし、すぐに調子にのる。私の方が絶対に彼女のことを理解してた。彼女のことを愛してた。なのに、どうして?どうして私が嫌われないといけないの?私は悪いことをしたの?私は……異常なの?」


「それは違う」


勝手に口が動いた。


「お前は好きな人が女の子っていうだけの普通の女の子だ。決して異常なんかじゃない。」


「……ありがとう。顔に似合わず、優しいんだね」


嫌なことを思い出したが苦笑いを作り、グッと飲み込む。


「顔に似合わずは余計だ。ま、いいや。風呂入ってくる」


「うん。わかった」


内扉を開き風呂に入る。トイレインではないため、多少広い。シャワーからお湯を流し、シャンプーを手に取る。妙に軽い。何回押してもシャンプーは出てこない。


「香菜ー。シャンプーの詰め替えとってー」


「はーい」


香菜は扉を開けてシャンプーは渡してきた。手だけだして渡すのかと思ったらそんなことはない。堂々と俺の裸体をその双眸に映し出している。


「どーぞ」


「……サンキュ」


「はいはーい」


嘘だろこいつ。全く動じない。少しは躊躇したり、恥ずかしがったりするだろ。本当に男には興味ないんだな。


ホモか。もし、俺が男から告白されたらどうするかな。キモいとか思うのかな。わかんねえや。


風呂を上がると香菜はテレビを見ていた。バラエティー番組だ。萌え袖で足をブラブラさせながら笑っている。その様子は中学生らしくてとても可愛らしい。普段のジト目とか、さっきの悲しい顔より断然良い。香菜には笑顔が似合う。


「じゃ、お風呂入ってくるね」


「うーい」


「のぞいたら殺す」


「中学生は守備範囲外だ」


そういえば、服も買ってなかったな。制服しか持ってないようだし買ってあげないとだな。明日買いに行くものとか適当にメモしとくか。


手を伸ばして、ペン置きに手をかける。机をまたぐがギリギリ届く距離だ。危ねっ!危うくカッターが腕に刺さるとこだった。買い物リストをつける。ついでに風呂場に行って必要なものを聞く。


「おーい。明日買い物に行くけど必要なものあるか?」


「ちょっ!来ないでよ!お風呂中なんだから!この変態!私が行くまであっちいってて!」


すごい慌てぶりだ。人のを見るのはいいけど自分はダメなのか……。思春期は難しいな。中学生の娘を持つ父親はこんな感じなのか。


「わかった。わかった。風呂入ってるあいだに欲しいもの考えとけよ」


「絶対にこっちきちゃダメだからね!」


「はいはい」


香菜を待ちながら、俺は買い物リストに欲しいものを書き出し始めた。



遅くなりました。もう少し投稿ペース上げられるよう頑張ります!

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