表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/11

第10話 ただならぬ関係

別にエッチくはないです。

日常はなんでもないようなところから、突然崩壊を始める。ご飯を食べながら見た、机の向かいにあるテレビが、澄ました顔をして言った。


「6月2日から村瀬香菜さん、14歳が行方不明になりました。警察は、拉致された可能性・・・」


ブチッという音と共にテレビが消える。


「香菜」


「家族の元には帰りたくない。私は拒絶された。親は汚い物を見るような目で見られた。弟には気持ち悪いって言われた!」


「ダメだ。ニュースになってるってことは、捜索願いも出てる。家族は君を心配している」


「そんなことない!嫌だ!絶対帰りたくない!」


「ワガママを言うな!」


あたりが静まり返る。時計のカチッカチッという音が、やけに耳に入る。静寂が痛い。


「良いか、香菜。きっと、香菜の家族は香菜のことを思って、心配して必死に探してる」


「でも・・・」


「大丈夫だ。もし拒絶されたらまた俺のところに来ればいい。俺が絶対に香菜の逃げ場所を守る」


「悟さん……。ありがとう」


ゴクゴクと水を飲む。少し、苦い。


「悟さんは、寂しくないの?」


「え」


「あはは!変な顔」


「むぅ」


突然聞かれたから、つい顔がこわばってしまった。


「そりゃあ。寂しいよ。少しの間だったけど、二人で生活していたわけだしね」


「ま、悟さん友達いなさそうだもんね」


ケラケラと香菜が笑う。クッソ。途中まであんなシリアスだったのに!流れが変わっちまった。


「じゃあさ、私が悟さんの親友になってあげる」


「親友・・・か。良い響きじゃん。わかった。今から香菜と俺は親友だ」


「ふふふ。まさか男と親友になるとは思わなかったよ。多分何回かグチ言いに行き来することになるからよろしくね」


「ああ。ドンと来い。ただ、彼女といるときは遠慮してくれよ」


「彼女いるの?」


ウッ。痛いところをついてくる。


「・・・いないです」


「じゃあ、いつでも来て大丈夫だね」


「まだいないってだけで、いつかできるから!きっと、多分、おそらく・・・」


あははと香菜が笑う。俺も笑う。寂しかった。本当のことを言うと。だけど、それを悟らせまいと俺はただ、ただ笑いながら話し続けた。


「案外、寂しいもんだね。最初に会ったときは、ここまでただならぬ関係になるとは思わなかったよ」


「ただならぬ関係・・・か。確かにそうだな。香菜がいなくなると寂しくなるよ」


「なにそれ。新手の告白?私はホモだから男には興味ないよ」


「告白ちゃうわ!」


二人で笑い合う。多分、これが最後になると思ったから、思いっきり笑い合う。話し合う。


会話が、途切れた。俺は立ち上がった。待って!と香菜が言う。香菜は、なんとか会話を捻り出そうと言葉を紡いだ。


香菜に微笑みかけて、俺は受話器をとった。

遅れてしまい申し訳ありません!アイデアもありました、構想もありました。でも、やる気がでなかったんです!どうか、お許しください!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ