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キターーーーー(・∀・)ノ  作者: マルマル
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第2話

●惑星「乱打」


○年蔵の家で提案


タカは年蔵の部屋に入って来た。

「兄上。このままだと危ういですよ。国王の座が。」

「心配するな」

「でも。失敗が多すぎて不満に思っていますよ。父上は。」

「う~ん」

考え込む年蔵


「それに、手柄をどんどんあげて、太郎が次期国王を狙っていますよ。」

「お前はどうんなだ。」

するどい目つきでタカを見る。


「何を言っているんですか。ありませんよ。さっき父上から言われた案件。太郎に丸投げしましたから。」

「はぁ? 父上の命令を無視するのか?」

「大丈夫ですよ。監督は俺。実行は太郎にお願いしたと言いますよ。」

「本当にやる気がないんだなぁ。」

あきれる年蔵。


「はい。これっぽちも王座に興味ありません。すっごく面倒ですから。

 それでですね。兄上に失敗を返上する案があるのですが。」

「それは本当か?」

身を乗り出す年蔵。


「もちろんです。」

「早く教えろ」

タカの両肩を持って大きく揺さぶった。


「わ、わ、わかりましたから。止めて下さい。」

「おお。すまん。すまん興奮して。」

「ホント馬鹿力なんだから。」

ぼそっと文句を言う。


「何だって?」

目を見開いて圧力をかける。

あさっての方に向いてごまかすタカ。


「えーとですね。結論から言うと武力大会を開くんです。」

「おお!!面白そうな案ではないか」

「そうでしょ。そうでしょ。ただ1つ問題があります。」

「何だ?」


「我が国に集まる武人が少ない事です。

 解っていると思いますが、我が国は弱小です。優秀な人材はどこに行くでしょう?」

「そんなの知らん。」

答えられないので、急に不機嫌になる


「強国やお金のある所に行きます。つまり、どうやって優秀な人材を集めるかが問題なのです。」

「それは、賞金の額を多くすれば良いのではないか?」

「たしかに、それも1つですが弱いです。」

「では何だ?」

「兄上の子を優勝者と結婚させるのです。」


「!!!!!!」


「バカヤロー。そんな事出来るかーー」

鼓膜が破れるのではないかと思うくらい大きな声で言った。


「なぜです?どうせ他国や名家に政略結婚させるのでしょ?」

「大事なカリンは嫁にやらん。俺の所に置いておくんだ」

「兄上。考えて見て下さい。カリンと結婚する相手は優勝するくらい優秀な人物なんですよ。

 味方になれば心強いですし、太郎の勢力を削ぐ事も可能です。」

「うーーん。」


「武力大会を開く狙いはもう1つあって、人材確保です。

 優勝した人物だけでなく、能力がある人物をスカウトするんです」

「なるほど。」

「兄上が身を切る事で、父上も本気だと考えて支持してくれると思いますし、兄上も必死になるでしょ」

「うーーん。少し考えてみる」



●惑星「ガルバン」

○長男の徳夫

会議室で、10人ほど集まって会議をしていた。

「今期の売り上げは、5%減で・・・・」

パワーポイントで説明をしている部長をよそに、


「ふぁ~~」

こっくりこっくり、うたた寝をする徳夫。

「本部長、今後の改善案は何?」

社長である花子が徳夫に質問した。

うたた寝を続ける徳夫。


「本部長」

声が大きくなった。


「コラー。バカ息子。何を寝ているんだ。!!」

怒りの声に目を覚まし、ヨダレを拭く徳夫。

「何、ママ」

「ママじゃないでしょ。会社では社長と言いなさいと、何回言えば解るの?」

「ごめん。ママ」

凄い形相で睨み付けた


「今後の改善案は?」

「えっと、う~んと。何だっけ?」

「ふぅ。もういい。時間の無駄ね。斉藤部長。改善案を」

「ハイ」

斉藤部長が喋り出した。

落ち込む徳夫


男子トイレで談笑をする部長達。

「大丈夫か、この会社?」

「大丈夫だろ。」

「今はな」

「そりゃどうゆう意味だ?」

「今日の本部長見ただろ?」

「ああ。その事か。いつもどおり、会社のお荷物だよな。」

「次期社長が、あれじゃお先真っ暗だなぁ。」

「ホント、ホント。俺、あいつが社長になったら会社辞める。」

「俺も」

「はははっは」

二人同時に笑い出した。


「姉の方も仕事は出来るが、協調性に掛けて、周りを敵ばかりにしそうだな」

「俺も思った。そうなると、人がどんどん辞めて潰れそうだなぁ。」

「そうだなぁ。」

「ふぅ~~~」

ため息を同時にする二人。


「あの人がいてくれたらなぁ。」

「ホント、そう思う。わずか1年で、会社全体の売り上げを10倍にしたんだからな」

「そうそう。最初は抵抗したけど、あの人の言うとおりしたら、どんどん売り上げが上がって楽しかったなぁ」

「だなぁ。居なくなってなって気づくよ。凄い人だって」

「まぁ。それに比べて、ホントダメだよな。本部長は」

「ホント。ホント。会社を辞めて欲しいよ」

「はははは」

トイレを笑いながら出る二人。


トイレの便器に座っていた徳夫は、ショックの余り一歩も動けなかった。



○クビになった勝彦


「はぁ~~~どうしよう。つい、かーーとなって言ってしまった。俺にはお金が必要なのに。

 ふぅ~~~」

公園でベンチに座って、携帯を見つめて職探しをする勝彦。

ふと、遠くを見ていた時、子供連れの母親が財布を落としているのを発見した。

誰も気づいてないので、全速力で走り財布を拾った。

中を確認すると、10万円以上のお金が入っていた。

「ゴクン」

思わず唾を飲み込んだ。

そして、お金を取ろうとした。


「いかんいかん。」

首を左右に振って自分を戒めた。

子連れの母親の所まで行った。

「財布落ちましたよ」

「あ!! 助かりました。どうもありがとうございます。お礼にどうぞ

 一万円のお金を渡した。」

「いえいえ。当然の事をしたまでです。」

「そういはずに」

「じゃ。そのお金でお子さんに美味しい物で作ってあげて下さい。」

子供の前でしゃがみ込み、笑顔で言った。


「そうですか。ありがとうざいます。ほら、あんたも言いなさい」

「ありがとう」

ぺこりとお辞儀をする子供。

「どういたしまして」

ポンポンと子供を撫でた。

そして、子供が手を振り、母親がお辞儀をして去って行った。


「ふぅ~。もったいない事をしたかな。でも、良い事を行うと気持ちがいいなぁ」

大きく背伸びをした。

そして、公園のベンチに座って仕事を探した。



「おやおや。お兄さん。どうしたんだい?」

ベンチの隣に座ってきたおばさんが喋りかけてきた。


「それがさぁ。会社をクビになったんだ。俺にはお金が必要なんだけど、

 なかなか条件の合う仕事が無くてね。」

「そりゃ。大変だ。お前さん家事は得意かい?」

「え!! まぁ。飲食店で料理を作るバイトをしてた事もあるし、掃除は好きな方だけど。」

「フフフ。良い仕事紹介して上げようか」

ニヤリと笑うおばさん。


○ゆっくりコーヒーを味わうカズオ


「う~ん。美味い。」

コーヒーの匂いを嗅いでから、じっくり味わう幸せそうなカズオ。


「ピンポン ピンポン」

せっかくの至福の時を邪魔されて、機嫌が悪くなった。


「どうせ勧誘だろ。面倒だからほっとこう」

「ピンポン ピンポン」

まだ、鳴っている。

(だが、俺は開けない。宅急便だったら、不在届けの伝票を入れるからな)


「ピンポン ピンポン」

(しつこいなぁ。普通の人だったら開けるが、俺は開けない。)


「ピンポン ピンポン・・・・」

(こいつ、なかなか粘るな。こうなったら、俺と我慢比べだ)

しばらくして、音が止んだ。



(フフフフ。勝った!!俺に勝とうなど100年いや1000年早いわ!!)

ガッツポーズをして喜んで、余韻に浸るカズオ。


コーヒーを飲みながら、窓を開けて外の景色を眺めていた。

「幸せだなぁ」

コーヒーをテーブルの上に置いて、窓の所でデザートのケーキを口いっぱいモグモグ食べた。


「コラーーーーー」

いきなり、目の前にスズが現れた。


「ブフーーーーー」

ビックリして口の中にある物を全て、スズの顔に吹きかけた。


「うぁ~~~~」

「アハハハハ。何その顔!! 面白いいい!!」

お腹を抱えて笑うカズオ。


必死に顔を拭う。

「何するのよ」

「ぷぁハハハ、腹が、腹が痛いいいい」

「笑うなぁ~」

「ハハハハハ」

「笑うなぁ」

さっきより小さい声で言うスズ。


「ハハハハハ」

「う、う、笑うな」

泣きそうな顔になるスズ。


「ゴメン。ゴメン。」

「もぉ~~~。プンプン」

スズは、頬を膨らませた。


「あ~面白!! それにしても、どうやって入ってきたんだ?」

「ほら、前に開けたじゃん。カベ」

「あ、避難用の薄い壁の事ね。まだ直してくれないの?」

「そっちが連絡するんでしょ。」

「何を言っているんだ。そっちが壊したから、直すのはそっちでしょ」

「あれは事故なの。不可抗力だったの。」

「でも、壊したのは誰かな?」

「イヤだ。」

「はぁ?常識的に考えろ」

「スズは常識なんて、持ってないもんね~~だ」


「直せ」

「イヤだ」

「直せ」

「イヤだ」

「直さなくていい」

「イヤだ」

「!! 本当!!じゃ直してね」

「ええ~~~~~~~~~~~!! ずる~~~~い」

「ハハハ。女に二言は無いんだろ?」

「約束なんて知らないもん」

「はぁい? あんまり駄々をこねると警察を呼ぶぞ。いいのか?」

「それは・・・困るんだけど」

「じゃ。直して」

「・・・・・イヤ」

「警察に行く?」

顔を左右に振るスズ。


「怪しいなぁ」

「な、何がよ」

「警察の話をすると元気が無くなるよね。」

ギクリと驚くスズ。


「べ、別に~~~~~」

口を尖らして誤魔化す。


「わかった。前に犯罪を犯したからでしょ」

「違うもん」

強く否定する。


「じゃ。何で?」

「・・・何でも良いでしょ。もう。

 そうだ。こうしよう。カレー対決で勝ったら払うと言うことで」


「ダメダメ。俺に得なんてないだろ」

「スズに負けるのが怖いんだ。へへへ」

「何?誰が負けるって」

「自信があれば、直ぐに返事をするのにね」

「もちろん。自信はあるさ」

「じゃ~。料理対決で決めましょ?」

「よし。のった。絶対勝ってやる・・・・・う~~ん何だか騙されているような気が・・」

「え~っと。仕事があるから1週間後の6時に会いに行くわ。」

「よし。逃げんなよ」

「そっちこそ。スズのカレーで美味しいと言わせてあげるんだから」

顔を近づけて睨み合う二人。


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