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キターーーーー(・∀・)ノ  作者: マルマル
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第1話

●惑星「乱打」

 国同士が戦争する戦国時代に突入していた。

 強国に囲まれた弱小国「紅」が次々と敵を倒し、統一をするかも・・・・


○王の部屋


「今まで何をしてたんだ年蔵」

「何を言っているのですか? 父上。」

「解らんのか。お主が行った治水工事の件だ。」

「ああ。その事ですか。終わりましたよ。無事に」

「馬鹿者ーーーー」

怒りの声が、部屋に響いた。


「!!」

ビックリする。兄弟達。


「何が終わりましただ。堤防が決壊したぞ。」

「!! おかしいなぁ。ちゃんと指示したはずなんだがなぁ」

首を傾げる年蔵


「手抜き工事だったのだろ?」

「ま、まさか」

「最後まで確認したのか?」

「それがーー そのーー」

歯切れが悪くなった。


「工事の金を抜いて遊んでいたのだろ?違うか」

「そ、それは・・・・今すぐにやり直します」

「もう良い。お主には頼まん。次期国王がこれでは思いやられるわ。ふぅ~~」

重いため息をする王様。


「父上。その仕事、私にやらせて下さい」

三男の太郎が言い出した。


「太郎。お主もこの仕事は任されんな」

「なぜですか?」

「この間、田畑を増やすように命令をしたのを覚えているか?」

「兄上達より沢山増やしたではありませんか」

「何人使った?10人でいい所を100人使ったではないか?」

「何が悪いのですか?」

憮然とする太郎。


「そのお金はいくらしたと思う。100万ゴールドの予算で、実際に使ったのは5000万ゴールドだぞ。

 5000万ゴールド 通所の50倍だ。」

顔を真っ赤にして怒る。


「先行投資ですよ。」

「ではどれくらい増えたのだ?」

報告書を太郎にぶつけた。押し黙る太郎。


「こういう地味な作業は、タカに任せる。行って来い!!」

「え!なぜです。やりたい人にやらせばいいじゃないですか」

「年蔵のように戦場で活躍出来ず、太郎のように交渉が上手いわけでもない。

 なんのとりえもない。普通のタカが適任だ。」

「面倒なのでしません。」

「いいからやれ。国王命令だ。」

「わかりましたよ」

しぶしぶ返事をするタカ。


「よし。解散」

3人の兄弟達は王室を出て行った。


「フン。いい気になるなよ。」

捨て台詞を残して、さっさと去る年蔵。


「タカ兄上。ずるいですよ。横取りするのは」

太郎はタカに擦り寄ってきた。


「俺だって、やりたくないよ。全く」

「じゃ。私にやらせてくれませんか?」

「いいのか?」

「ぜひぜひ」

「でも父上にばれたら、うるさいしなぁ。」

「大丈夫。大丈夫」

ニコニコして太郎と対照的に、タカは腕組みをして悩んだ。


「よし。わかった。太郎に任せよう。」

「いやった!!」

大はしゃぎする太郎。


「ただし、速く終わらせろ。人は沢山使っていい。そして、被害に遭った人の世話もきちんとしろ。

 お金の請求は俺に。」

「解りました。」

笑顔の太郎。

(馬鹿なタカ兄上。手柄も民の人気も俺が独り占めだ。困っている奴を助けてやるんだからな。ククク。)



●惑星「ガルバン」

 宇宙で動く車、戦艦などを中心に生産し、平和な商業惑星。


○高級マンション


パソコンに小説を書いているとき、ふと外を見た。

いきなり、女性の叫び声とド~~ンと何かが壊れる音がした。


慌ててベランダを見ると、牛のぬいぐるみを着た可愛い女性が、ベランダにある隣の薄い壁をぶち破いて、俺の所に来たみたいだ。

そして、俺の顔を見るなり、

「開けて~~~~ 助けて~~~~」

ドンドンと窓を叩いていた。


「見なかった事にしよう」

カーテンを高速で閉めた。


「開けてぇ~~~~」

さっきより、強く叩いた。

「ヤバイ人には、関わらないようにしよう」

ウンウンと自分を納得させたカズオ。


「窓もこ~~~わ~~~す~~~~~よ」

余りの怖い大きな声に、ビックリして慌てて窓を開けた。


「助けて~、あ、あれ~」

メガネの女性は、俺に抱きついて怯える声で、その物体を指した。


(柔らかくて、良い匂いがするなぁ。ニヤニヤ。イカンイカン。ここは紳士に。)


「どうしたんですか?」

「あれ、あ~れ、あ~~れ。きゃーーーーー」

さらに、強く抱きしめた。

カズオは、ニヤニヤが止まらない幸せな顔をしていた。

(ラッキーーー!! 日頃の行いが良いからだな)


「あれ、どうにかしてよぉ~」

「え!! え~~~~!! 俺もやだよぉ~」

「あんた男でしょ」

ベンランダに俺を突き飛ばした。


「わぁ~~~わぁ~」

「キャーーーー中に入って来る」

物体は、部屋の中に進入して来た。

二人とも思わず、ジャンプして逃げる。


「どうにかしてよぉ~~。もぉ~~~」

泣きそうな顔の女性。


「うぁ~~。またこっちに来た。 あ!!」

物体を避けるために、二人は同じ動きをしたため、ベッドの上で倒れた。


「え!!」

ベッドの上に、牛のぬいぐるみでメガネの可愛い女性が下で、俺が上になっていた。


(チャーーーンス、ドラマで良くあるシーンだ。このまま、偶然を装って、キ、キスをしちゃうぞ)

この間、0.001秒で判断したカズオは、女性の顔に近づけた。


「あ!! あそこ!!」

女性は、天井を指差した。


「痛い。う~~~」

カズオは、女性の膝が股間に当たり、悶絶して横に移動した。


「キャーーーーーーーーーーー!!!」

物体が女性の顔に落ちてきたのである。


「イヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤ」

顔に落ちた物体を放り投げた。


「もう。頭にきた!!」

女性は、怒った顔でそこらへんにあった物を持って、物体目掛けて叩きまくった。


「この、この、このこのこの、ハァ、ハァ、ハァ」

物体が動かなくなったのを確認した女性は、ほっとした表情になり、ベッドでスースー寝始めた。


「お~い。お~い。もしもし・・・・どうすんのこの残骸。最後まで責任持てよぉ~」

箸で物体を袋に入れようとすると、カサカサと動いた。


「うぁ~~~~~!!」

カズオは、驚いて尻餅をついた。さすがに大きな声を出したので、ビックリして起きているだろうと顔をむけると


「まだ寝てるんか~~~い。・・・・襲っちゃうぞ!! ・・・・空しい ・・・・なぜ牛のぬいぐるみ?」

何もなかったように、牛が気持ちよさそうに寝ていた。


「うん!!」

スズは、目をゴシゴシしながら、目を覚まして背伸びをした。


「はぁ~~!! ここは? あ、そうだ。隣の家だった。

 ん!! クンクンこの匂いは?」

良い匂いがする方に、急いで行った。


「うぁ~ 美味しそう」

カズオは、カレーライスを食べていた。


「美味しそうだなぁ。美味しそうだなぁ。」

目を輝けせる。


「家で食べれば?隣だし」

「だって~。今から作るの面倒だし~」

ぐぅ~~~とお腹が鳴る音がした。


「ほらほら、お腹も空いているって言っているよ。」

「ふ~~~ん」

気のない返事をするカズオ


「ねぇ~てば。!!!! あ!! お鍋発見」

瞬間移動で鍋の所に行って、勝手に鍋を開けて味見をする。


「こら!! 何勝手に食べているんだ」

「美味し~~~い」

「そう!!」

褒められて嬉しいカズオ。



「でも。私のカレーに比べたら、まだまだだけどね」

「な~~~に!!」

「私の方が美味しいも~~~んだ」

「ほ~~~ぉ そこまで言うんだったら、味比べしよう」

「え~~~面倒」

「やっぱりな。実は作れないんだろ」

「違うもん」

口を尖らせる。


「俺の料理に勝つ自身がないんだな」

「違うもん」

さっきより大きな声で否定する。


「じゃ。作ってよ」

「ふ~んだ。絶対。スズの方が美味しいもん。」

「ハイハイ。勝ってから言ってね」

信じて貰えないスズは、頬を膨らませた。


だが、急に真顔になって

「ねぇ。スズの事知っている?」

牛のぬいぐるみを着たスズをじっくり見てから


「知らないけど。何で?」

「なんでもないで~~~~す」

笑ってベランダから帰るスズ。


「なんだったんだろ。変なぬいぐるみ女」



○豪華な家


「ちょとあんた。」

「は、はい。何でございましょう?」

怯えた声で話す家政婦。


「このしょうが焼き味付けが濃すぎる」

「でも、徳夫ぼっちゃまが、言われたので濃い味付けにしたのですが」

さらに、おどおどしながら答えた。


「家族それぞれ、好みが違うから別々にしてって言ったでしょ」

「でも、それだと手間が掛かって」

「何!! 私の命令を無視するのね。今日でクビよ」

「そ、そんな、」

「いいえ。クビ。出ていきな。ホント使えないわね」

家政婦は、泣きながら家を出て行った。


「あんた。何勝手にクビにしているの?」

仕事から帰ってきた母親である花子が、娘のナナをしかっていた。

「はぁ? 使えないからクビにしたまでよ。」

「もうぉ。これで何人目だと思っているの?」

「もっと使える人間をよこしてよ。全く」

「頼んでいるけど、悪い噂が広まって料金を高くしても来ないんだよ。」

「じゃ。お母さんが作って。」

「私は仕事で忙しいの」

「私だって仕事で忙しいんだから」

長い時間、家政婦の事で口論になった。


夜中の1時に帰って来た長男の徳夫。

「ふぅ~疲れた。」

自分の部屋に入ると妻が寝ていた。

「ただいま。スズメちゃん」

髪をそっと撫でた。

そして、カバンを置いて、居間の方に向った。


冷蔵庫の中を見たが、食べ物がなかった。


「ふぅ~。また姉さんが家政婦をクビにしたか」

別に驚く様子もなく、いつものように行動した

棚から、カップラーメンを取り出し、ポットでお湯を沸かした。


「ふぅ~。ずっとまともな食事をしてないよ。」

買ってきたお酒を飲みながら、ぼやいていた。

すると、いつの間に寝てしまった。


「は!!今何時だ?」

焦って時計を見る徳夫。

誰かが、毛布を掛けてくれた事に気づく。


「お腹すいた。カップラーメンを食べよう」

またお湯を沸かした。

「はぁ~。眠たい」

妻のスズメが起きて来た。


「おはやよう。スズメちゃん。」

無反応のスズメ。

「ご飯は?」

「姉さんが、また家政婦さんをクビにしたみたい。」

「そう。じゃいい。」

「食べなくていいの?」

無反応のまま部屋に入るスズメ。



○巨大ビルの大会社


「昇進おめでとう!!」

「ありがとうございます」

上司から言われて、上機嫌の勝彦。


エレベーターに乗った。

途中で、女性が入って来た。

(よしよし。やったーーーぞ!! 勝彦 昇進だぁーーー!!)

書類を見ながら、ニヤニヤが止まらない勝彦。


「変態」

勝彦の前にいた女性が振り向いて、いきなりビンタしてきた。

持っていた書類の一部が中に舞った。

あまりの事に唖然とする勝彦。


「な、何で叩くんですか?」

「あんた。私のお尻さわったでしょ」

「はぁ?触ってない」

「嫌。触った。」

「触ってない。だって両手塞がっているでしょ」

カバンと書類を見せた。


「触った。あんた名前は、加藤勝彦っていうのね。覚えてなさい」

首から掛けていた社員証を見て、出て行った。


「何だあいつ。俺はやってないって。」

周りを見ると白い目で見つめる人々。

「はぁ~ついてない。せっかくの嬉しい気持ちが台無しだよ。

 でも、良い匂いだったなぁ・・・やってませんよ。絶対に!!」


翌日、会社に行って、上司に呼ばれた。

「加藤。今日限りでクビだ。」

「はぁ?」

突然の事に理解できない。


「エレベーターで、セクハラしたんだって」

「してませんよ。信じてください。」

「信じたいけど、相手が悪かったな」

「どうゆう事ですか?」

「社長の娘に手を出したんだよ。」

「あ~!!あの生意気な女が」

「お嬢様のご機嫌を損ねた人は、何人もクビになったらしい。

 仕事は出来るが、気性が荒いで有名だぞ。別名、ゴリラ女」


「どうにかなりませんか? お金がどうしても必要なんです。」

「俺の力じゃなぁ」

「もういいです。自分で解決します。」

「おい、加藤、加藤」

勝彦は部屋をすごい勢いで飛び出して行った。


「あ、いた」

ゴリラ女を廊下で発見した勝彦は、走って彼女の前に立ち塞がった。


「あんたのお尻なんて絶対に触ってない。」

「邪魔」

強引に通り過ぎようとしたが、両手を伸ばして通せないようにした。


「何するの?忙しいの私は」

「俺にとっては重要な事だ。クビを撤回してくれ」

「嫌だ。完全なセクハラでしょ?」

「違うっていっているだろ。」

「うるさいわねぇ」

「じゃ。エレベーターの映像を確認してくれ。」

「この私が証人なの。必要ないわ。」

「違うって言っているだろ。ゴリラ女」

「はぁ?何ですって」

「い、いや~~~その~~~」

「だ・れ・が・ゴリラ女ですって!!」

「さぁ~~~だれだろうなぁ」

口笛を吹くそぶりで、しらばっくれる勝彦


「この変態」

ゴリラ女は、ビンタをした・・・が

勝彦は咄嗟に避けた。

すると、バランスを崩したゴリラ女。

ヒールが片方、中を舞った。

彼女は、・・・・・・・地面に落下しなかった。


勝彦が咄嗟に受け止めたのである。

見詰め合う二人。

「は、離しなさい、変態変態変態」

顔を赤らめるゴリラ女。


「でも、離したら」

「どこ触っているの? これで確実にセクハラね。クビよクビ。」

「あ、そう」

手を離す勝彦


「痛ーーーー何すんの」

「あんた。最低だなぁ。ろくに調べもせず犯罪者扱いして。

 俺にとっては、人生が掛かっているんだ。

 あんたは、仕事は出来るかもしれないが、常識や徳が無さすぎる。

 社長の娘がこの性格だと将来あんたが社長になった時、確実につぶれるね」

「なんですって」

「あんたの周りに信頼できる人が何人いるの?」

「そ、それは」

顔を背ける。


「可哀想な人だよ。あんたは。お金や才能があっても注意をしてくれる人がいないんだね。周りにイエスマンしかいないんだね。」

哀れんだ顔で上から見下ろす。


「あなたに私の何が解るっていうのよ」

もの凄い剣幕で言った。

勝彦は、しゃがんで見つめた。


「今のあんたを見れば解るよ。どうせ。友達なんていないんでしょ。」

「うるさいうるさいうるさい」

「きれいな顔をしているのに、毎日が不満で一杯なんだろうね。可哀想に。

 ピンチな状態の時に助けてくれる人はいるのかなぁ? いないよね。

 まぁ。俺には関係ないけどね。どうせ二度と会う事もないし。」

立ち上がって、社員証を無造作に投げた。


「将来潰れる会社を教えてくれてありがとう!! 」

振り返って去って行く。


「セクハラで訴えるなら訴えろ。恥を欠くのはあんただからな。後、俺はやってない。」

途中で立ち止まり、女の方に指を刺して言った。

女は凄い剣幕で睨み付け、社員証を握りしめた。


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