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ビバ☆就活体験記  作者: マナブハジメ
第一章 「説明会と、学園祭と、木工用ボンド」
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十月六日  谷本直毅

十月六日  谷本直毅


 金ゼミ一の男前よありがとう。そしてお帰り。いつもはノリのいいお前がどうしてゼミ旅行に来なかったのか疑問だったのだよ俺は。俺たちが触れてはいけない理由があるのかなと思ってさ。でもなんてこたあない。海外旅行してただけなのか。なんだか気を使ってしまったぞ。気の使用料を返してくれ。

 ところで皆さん。今日、(すみ)先輩から聞いたんだが、このゼミは毎年学園祭に出店しているそうだ。んで、当然のごとく、今年も出店するらしい。「出店の手続きなんかは当の昔に終わっておるさ」なんぞと角先輩は胸を張っておられたが、俺たちゃ何も聞いてない。一応俺は幹事だぞ。運営委員会には、クレープ屋をやると言って用紙を提出したらしいが、クレープ屋という看板を掲げて焼鳥焼いてもかまわんから、他にやりたいことがある人は意見募集中だとよ。かまわんというのは先輩方の認識で、運営委員会の認識ではないから気を付けろ。たぶん怒られるぞ。そして、クレープだと思って並んだ子供たちが泣き始める。

 出店の準備等は先輩らがやるから心配しなくてもいいそうだ。でも、暇なやつは手伝ってやろう。そして何かおごってもらおう。学祭当日はできれば手伝って欲しいと言ってたぞ。客引きは一人でも多い方がいいし、女子がいた方が間抜けな男どもが寄ってくるからイイのだそうだ。四年のお姉様方だけでも十分な気がするが、若さが欲しいとかぬかしてました。あと、間違いなくコスプレさせられるから覚悟しておけ。野郎どもの誰か一人はメイドさんになるだろうよ。太股辺りをきれいにしておけ。特に、二条院。気を付けろ。

 ところで二条院。お前がこの前書いていた、何とかケーキというのは、何て読むんだ。むつかしい漢字を書くときは、ふり仮名くらい打っておけ。世の中の八十パーセントの人は読めんだろうよ。八割の人が読めんなら、そりゃもう漢字じゃない。単なる線の集合体だ。線を集めて何が楽しい。美術館にでも飾っとけ。

というわけで、お前の言っている何とかケーキは無視した。恨むなら自分を恨めよ。読めないものは仕方ない。ちなみに、俺も台湾のお土産としてパイナップルケーキを買ってきました。山井さんのリクエストもあったしね。ちゃんと全員分あるから心配するな。キム先生は二個だが文句言うなよ。先生はああ見えて甘いものが好きなんだ。何も塩昆布ばかり食ってるわけじゃない。先生は最近塩分を控えてらっしゃるんだぞ。あの年でメタボじゃないことはすごいことだ。色男とお土産のタイミングがかぶったのは何とも腹立たしいが、せっかくの機会だしお土産の食べ比べでもしたらいい。たぶんアメリカも食いもんだろう。チョコレートあたりじゃないか。まあ何にしても、お土産が多くて困ることはない。今週のゼミは、お茶しながら進めよう。たまには息抜きも必要だ。毎回議論が白熱しすぎて大変だからな。人知れず眠るテクを身につけた三木森には分かるまい。

 では、学園祭の件よろしく。バイバイチャ。


(追加)  山井里央


 谷本君、お土産ありがとです。ゼミが楽しみぃ~。

 学園祭の話だけど、たぶん、うちはオーケーだよ。バンバン手伝える感じ。コスプレも変なのじゃなきゃいいよぉ。(笑) 麻美はすっごく忙しそうだから、微妙かもしんない。でも、参加したい、みたいなことは言ってたよ。たぶん当日くらいは来れそうなかんじかなぁ。

 とにかくみんな、学祭もがんばろうね~。


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