十二月一七日 中林洋平
十二月一七日 中林洋平
あさみんに吉報です。三木森をゲットしました。いや~、なかなか苦労したよ。なにせコイツ授業出てないし、携帯途中で電池切れるし。いったい何年同じ携帯使ってんだよって感じ。それにしても、ホントによかった。谷本が来られなくなった時はどうなることかと思ったけど、これで何とかなりそうです。三木森ゲットしたついでに天通の学内セミナー行ってきたよ。谷本がゼミの打ち合わせで来られなかったみたいだから、前回のと被らない程度に報告するね。
まず、覚えて帰って欲しいと言ってたのは、「AIDMA」から「AISAS」へと消費者の行動様式が変わりつつあるっていう天通なりの分析かな。最初の方は、アテンション、インタレスト、デザイア、メモリィ、アクション、の頭文字をとったものだそうです。で、この行動様式は過去のものへとなりつつあって、今は、アテンション、インタレスト、サーチ、アクション、シェア、っていう行動様式に移り変わってるんだって。インターネット検索とか、ブログでの紹介みたいなのがこの変化の主たる原因みたいです。確かにアマゾンのレビューとかは、参考程度によく見るもんね。広告業界におけるインターネットの重要性は高まってきていて、四マス媒体って言われてる、テレビ、新聞、ラジオ、雑誌広告が軒並み売り上げを落としてる中、ネット広告だけは増益らしいよ。確かに最近、テレビとか見ないもんね。ラジオなんてもっと聞かないし。検索連動広告が強い理由がなんとなくわかった気がする。だから、天通もインターネットには強い意識を置いていて、今はクチコミになるような広告戦略に力を入れているそうだ。「気になる」シーエムを作ったり、商品との接触機会を増やすようなキャンペーンを催してみたりね。とにかく消費者の気を惹く広告を作ることが大切なのだそうです。「自分ごと」に感じてもらうような空気作りに重点を置いてるみたいよ。あとは、知ってると思うけど、天通はスポーツ関連にダントツ強い。国内国外問わず主要な大会はほとんど天通がキャンペーンやってると思っても差支えないかも。オリンピックとかワールドカップとか。だから、スポーツ大会関連のイベントをやりたいなら絶対天通に行くべきだと思う。まあ、プレゼンの内容はこんな所でしょうか。説明終わった後に内定者の人と座談会みたいな形でフランクに話せる機会がありました。せっかくだから、三木森引きずりながら話を聞いたよ。もちろん内定者として、我らが金ゼミの乙女、堀先輩もいらっしゃいました。ホリ姉、三木森がセミナー来てることにびっくりしてた。就活とは無縁の男だと思ってたんだって。(笑) はっきり言って、正解です。俺が強引に連れてこなきゃ部室直行だったろうからネ。せっかくの機会にホリ姉の話ばっか聞くのももったいないから、他の人たちの話も聞いてみたんだけど、内定者に共通して言えるのは、みんな元気がイイってことかな。あとは個性もバラバラっぽかったから、こういう人が受かる、みたいな内定者像は浮かんできませんでした。社員さんの話の中にも、「あなたの個性を求めています」みたいなこと言ってたから、本当に個性的な人が多いのかもね。これはОB訪問の価値ありって感じでしょうか。はい。これで俺の報告はお終いです。
話が最初に戻るけど、あさみんの件に笠井を引っ張り込むのは断念しました。あいつは只今鬱々真っ盛りだから、そっとしといてあげようね。あさみんも、今は不安な気持ちでいっぱいかもしれないけど、俺たちがいるから安心してね。当日、最悪のケースでも、体張るから心配なしだよ。あさみんがつらい時は、俺たちだってつらいから。だから俺たちを頼ってくれてありがとう。言いたいことがあったら何でも言って。内側にためておくのは身体に毒だよ。(笑)
金ゼミ男児の合言葉。「あさみんのためならなんのその!」 三木森、サンキュー。
(追加) 自称弱小サッカーサークルのエースさんへ
いい加減にしてよ。あさみん、あさみん、あさみんって、少しくらいうちのことも気にしてよ。会うときだって、いっつも私の方から連絡してるじゃない。たまにはそっちから誘ってよ。うちにはいつだって、サッカーだの、野球だの、バイトだの、飲み会だの、いろいろ言い訳してるくせに、こういうときだけ空いてるんだね。いつもの理由は嘘なのかな。ただうちに会いたくないだけなのかな。私、分かんないよ。わかんない。分かんないから、はっきり言って。うちのこと、もうどうでもいいなら、早く言ってよ。辛いから。辛いから早く言って欲しいの。あなたのことで悩むのはもうお終いにしたいです。じゃないと、自分自身と向き合うこともできないから。全然できないの。
知らない内に、私の中ではあなたの存在が大きくなっていました。それはうちにとって嫌なことではなかったから、むしろ、幸せで心地いいものだったから、気付かなかったのかもしれません。でも、面接で超へこんで、もう一回自分を見つめなおそうとしたとき、うちは自分自身を見つめなおすことができなかったの。なんでだと思う? 大きすぎるのよ。大きすぎるの。あなたの存在が。あなたの存在が私の全部になりかけてたの。それでもうちは、存在の大きさそのものが嫌なわけではないの。あなたの存在は、本当に大切だし、嬉しさの種だし、私を満たしてくれる幸せそのものだから。
でも、でも。あなたが私のこと見てないって気付いた瞬間に、あなたの存在は重し以外の何物でもなくなって、息が苦しくなっちゃった。愛がなくても、重さって感じるんだね。
あさみんと三人でご飯食べてる時も、あなた、うちのこと全然見てなかったよね。私のこと、隣にいる置物か何かと勘違いしちゃったのかな。ずっとあさみんの心配ばっかりしてたよね。少しくらい私の話も聞いてほしかったのに。少しくらい慰めて欲しかったのに。私の考えてることはもう、あなたには伝わらないんだね。この前、一緒に帰ったとき、隣でうちが泣いてることに、あなたは気付きましたか? 気付いてないよね。背、高いもんね。ミッキーと電話してたもんね。うち、あなたの邪魔にならないように、声出さずに泣いてたんだよ。えらいでしょ? 少しは褒めてよ。少しだけでいいから。
こういうこと考えてたらね、うち、自分のことが情けなくてしょうがなくなっちゃった。私、あなたに依存してたのかなぁって思い始めたら、そこから先に進めなくなっちゃったの。私はあなたにいろいろ求めるけれど、あなたは私になんにも求めてないもんね。これってすっごく不平等。うちばっかり悩んで、あなたは、あさみん、あさみん、って叫んでる。もう嫌になっちゃった。なんにもわかんなくなっちゃった。もうダメだよ。こんな関係よくないよ。
麻美も麻美だよ。あさみは全部自分で抱え込んでる気でいたかもしれないけど、そんなの全然違うよ。もう十分みんなを巻き込んじゃっていたんだよ。みんな麻美の心配して、みんな麻美のことばっかり見て。べつにそれは悪いことじゃないの。だから麻美のことが嫌いになったわけじゃないよ。だってうちも麻美のこと心配だもん。本当だよ。本当。
でも、彼だけは返してほしかった。彼だけは私の隣にいてほしかった。私のこと見ててほしかった。これって絶対、嫉妬だよね。ごめんね。麻美にこんなこと言っても仕方ないことはわかってるの。わかってる。わかってるんだけど、ここに書かなきゃ、うち、パンクしちゃうよ。もう一杯一杯なの。
サッカーしているあなたが好きでした。野球をしているあなたが好きでした。バイトで忙しそうにしているあなたが好きでした。飲み会で騒いでるあなたが好きでした。常にみんなの中心にいるあなたが大好きでした。でも、今は、違います。
サッカーしているあなたが嫌いです。野球しているあなたが嫌いです。バイトばかり優先するあなたが嫌いです。飲み会を理由に会ってくれないあなたが嫌いです。私のことなんて気にも留めてくれないあなたが大っ嫌いです。
イブの日に約束してたユニバーサルスタジオはナシにしよう。もうダメだよ。行けないよ。チケット返すね。別の人と行きなよ。うちはゼミのクリスマス会に行くから気にしないで。もうなんにも気にしなくていいよ。気にしなくていいの。うちは、先輩たちにハグしてもらうから大丈夫。金ゼミの乙女はみ~んな、あったかくて、やわらかくて、やさしいんだよ。
麻美のこと、頑張ってください。さようなら。




