表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ビバ☆就活体験記  作者: マナブハジメ
第二章 『自己分析と、他己分析と、ジャイアンムービー』
18/92

十一月十五日  田中麻美

 十一月十五日  田中麻美


 学内企業研究セミナー行ってきましたー。途中から、里央、中林君、谷本君、とも合流できて、なんか楽しかったです。帰りに、ご飯食べながらいろいろ話聞いてくれてありがとう。なんだかスッキリした気がします。まわった企業は、ディー・ケイ・ツー、本日放送、エムビーアイコンサルティング、の三つです。まず、ディー・ケイ・ツーから書くね。

 ディー・ケイ・ツーは、業界三番手の広告会社です。「全員経営」を哲学に、コミュニケーション全般に関するビジネスを展開していて、クライアントの課題解決に日々奔走しているそうです。職種はこの前谷本君が書いてくれた黒報堂と内容的には大差ないから省略するね。ディー・ケイ・ツーの強みはアニメ分野で、ドラえもんとかワンピースなどを担当しているそうです。もっと凄いのは、この広告会社はアニメ制作会社を持っていて、自分たちで直接アニメを作れてしまう点です。もちろん制作会社の社員さんもディー・ケイ・ツーの人で、広告会社に入社したのにまったく違う仕事をしている人もいるそうです。なんか、すごいよね。求める人物像は、タフなハートとタフな頭を持った学生で、変化や不確実なものへの挑戦を惜しまない人だそうです。天通や黒報堂っていう強力なライバルがいるから、この二社との違いを出すのに注力しているみたいです。オンリーワンっていう感じで、素敵な印象だなぁ。

 次に見たのは本日放送です。人が多くて立ち見だったよ。民放じゃないけどやっぱり人気あるみたいです。本日放送の特徴は、視聴者のための番組作りができるところなんだって。民放だとどうしてもスポンサーや視聴率を気にしがちになってしまうそうです。でも、最近の視聴率は本日放送が上位を占めてたような気がするから、ちょっと皮肉です。私たち視聴者の目がシビアになってきたのかもしれません。そもそもテレビ自体あんまり見なくなってきたような気もするし。本日放送は、インターネットとの融合も試みていて、十二月から有料で、オンライン上で一部コンテンツを配信するらしいよ。私の意見を言わせてもらうと、本日放送だけでそういう取り組みをしても、うまくいかないと思うの。だって無料動画サイトの方がコスト的にも便利だし、知名度もあるしね。アップルがやったように、放送業界全部を巻き込まないと駄目だと思うなあ。なんて、ちょっと偉そうなこと言ってごめんなさい。(笑)

 最後に回ったのはエムビーアイコンサルティングです。途中からしか聞けなかったから、詳しいことは分かんないけど、パンフレットならあるから欲しい人は言ってください。エムビーアイコンサルティングの特徴は、バックにエムビーアイっていう大企業があるから、そこで実験的なコンサル業務ができる点にあるみたいです。内定者の人も来てたんだけど、とにかく底抜けに明るい感じの人でした。資格を取るのが趣味なんだって。なんか、高尚な趣味で頭が下がっちゃいました。(笑) 報告はこんな所です。

 二条院君。なんだか誉められてるみたいで、嬉しいやら恥ずかしいやらです。ありがとう。アルバイトは、イタリアン料理のお店で働いてます。チェーン店だから、二条院君も食べたことがあるかもしれないね。新しくアルバイト始めるなら、ちょっとだけアドバイスしてもいいかな? 面接の時に、そのお店で働いてる人たちがどんな人なのか、しっかり見ておいた方がいいかも。人間関係とか結構大事だと思うから。お節介なこと書いちゃいました。

 じゃあね。バイバイ。


(追加)  二条院


 就活情報掲載ありがとうござりまする。麻美さんの報告はわかりやすくてありがたい。後の後輩たちにも良き影響を与えることでしょう。イタリアン料理のお店とはお洒落ですな。麻美さんに接客される民衆はさぞかし幸福な満腹を堪能することでしょう。それにしてもそのアドバイスは少し気になりますな。何か人間関係でいざこざでもあったのでしょうか? 俺でよければ相談乗りますぞ。

 以上です。


(追加)  谷本直毅


 ディー・ケイ・ツー追加情報。人事の人と雑談したんだけど、ここはほんとフラットな会社で、社長のことも、さん付けで名前呼んでるんだって。だから、若いうちから活躍してる人もちらほらいて、二年目にして一人で大きなクライアントさん抱えてる人もいるみたいよ。俺個人の意見としては、若いうちから自由に活躍するならここがいいと思う。またもや広告業界に対する印象がよくなった。商社と広告が俺の中での双璧だ。それにしても、ここの人事の人も自己分析は入念にしとけと言っておったよ。そろそろ本腰を入れて取り組もうではないか諸君。依然として情報求む! ところで二条院。

 もっと遠まわしに聞けよ。乙女の心はガラスだぞ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ