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ビバ☆就活体験記  作者: マナブハジメ
第一章 「説明会と、学園祭と、木工用ボンド」
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十月二三日  谷本直毅

 十月二三日  谷本直毅


 仲睦まじき金ゼミ諸君オイッス。(ふた)()物産のセミナー行ってきた。

 学生五十人くらいの質問会みたいなセミナーだったのだが、二井物産の雰囲気みたいなものを少しは感じることができたような気がする。なんか、ココと二菱商事は独特な雰囲気を持ってるよな。五大全部回ってないからまだ正確なことは言えんが、少なくとも他の企業とはなんか違う。言葉ではうまいこと言えんからここら辺にしておく。いろんな質問が飛び交ってたから、印象に残った話だけ書きます。二井物産に必要なものは「人間力」だそうだ。商品を持たない分、人間の魅力が武器であり財産であると語っておられたよ。これはほかの商社の人も言ってたから、なかなかタフな世界なんだろう。人間力ほど一朝一夕で身につかんものはないからな。あとは自分で考え行動できることが大切だとも言っておられた。人間力に関連して、目力の大切さにも触れてました。特に水産関係とかロシア関係のビジネスをする時は知識云々よりも、対峙した時の真剣な眼差しで取引が決まったりするそうだ。目は口ほどにものを言うとはよく言ったもの。取引先は、こいつが信頼に値する人間かどうかの解を目力に求めてくるのだ。なんだかその理屈はわかるような気がする。過去の不祥事についても二井物産は隠したりしないと宣言してた。取引するときには当然リスクについても言及し、双方納得の上でビジネスを結ぶんだと。まあ、当然といえば当然なんだろうが、これができてる企業は意外と少ないのかもね。二井物産が強い分野は、化学薬品、エネルギー、鉄鉱など。取引が多い国はブラジルとかオーストラリアなどなど、だってさ。ブラジルに至っては社長とブラジル大統領が友人だから、部門によってはほとんどのシェアを握ってるらしい。人脈ってホント大事だよな。

 新人の配属は入社後の面談の後、育成環境なんかを考慮して決めていくんだと。で、二部署二業務を経験させるそうです。改めて思ったが、やっぱ商社行きてえよ。セミナー終わってから社員さんと話してたんだが、何かオーラというか雰囲気があるよな。まだ若いのに、この人できるな、って感じてしまうのは、ネームバリューだけによるもんじゃないぞありゃ。本当にできる人たちの集団なんだろうと思った。一言で言うと、カッコイイ。

 さて、俺の方向性がだんだん見えてきたところで、先の見えないクレープ屋の話をしよう。メニューは定番のチョコバナナとかフルーツ系の他に、コーヒーゼリー、アボガド、あんこ、そしてまさかのタコワサ、で決定だそうだ。たぶんナタデココはタコワサに負けました。インパクトで負けたのでしょう。世の中は不条理です。

アボガドは、なんだかんだうまいからまだいいが、問題はタコちゃんだ。責任とれよ二条院。予算を均等に配分したらタコワサ部門での大赤字は避けられんぞ。まして財布のひもを握っておるのはあの先輩たちだ。タコワサを大量に作り置きして、余ったタコワサを肴に打ちあがろうとしておるぞ。魂胆が見え見えで、火の車が見え見えだ。誰か消火器買ってこい。

ちなみに打ち上げは、居酒屋鳥丸(とりまる)ですが、おそらくばらしの段階から缶で飲み始めるでしょう。だから騒ぎたい奴は後片付けに参加したらいい。一次会はタコワサパーチーだ。今日はこんな所で。さらば。


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