金ゼミ幹事 谷本直毅より
確か、野性時代の一次選考を通過して、選評をもらったと記憶しています。選評をもらったのは確実です。なぜなら、選評には「おっしゃる通り!」と思った記載があったから。
「ブログやSNSが流行っている昨今、なぜ日記なの? と思いました。」
その通りでございます。。。
二〇〇八年 九月二六日 金ゼミ幹事 谷本直毅
金ゼミ諸君ごきげんよう。
先日のゼミ旅行は大変面白かった。特に三木森のはしゃぎっぷりは秀逸だったぞ。酒に酔っても服を脱がなくなった辺りはかなり成長したものだ。大学三年たる中堅学部生としての自覚が伺える。彼にはこのまま良い方向への成長を期待したい。裸の付き合いが大切なのだと机上で豪語し、まず下半身から恥じらいもなく脱ぎ捨てる男っぷりは称賛に値しない。空気が淀む。あと、若干臭いからよく洗え。
ゼミ旅行を企画してくれた田中さんと山井さん、本当にありがとうございました。ラフティングがしたいという俺の意見を拾い上げてくれて感謝しています。二人は楽しかったでしょうか。俺たち阿呆な男組はめちゃくちゃ楽しかったです。キム先生は見事に水着を忘れてきたようですが、「下着で充分」ということで、純白のブリーフ一枚をウェットスーツの中に忍ばせて保津川下りを楽しんでおられました。この分だとキム先生は川に入らないのだろうと私は思っていたのです。もちろん、キム先生もそのつもりだったと思います。
だから三木森は大悪党なのです。
「先生、今のタイミングで川に落ちるとオイシイですよ」と悪魔の如くささやき続けた大悪魔は、終いには先生を川に突き落としてしまいましたね。先生の清らかな薄い髪が川のせせらぎと化していく光景を、俺は静かに見つめていました。あれ以来、とろろ昆布が滑らかに喉を通ってくれません。どうやら人生初めてのコンプレックスのようです。三木森よ、やっぱり成長のベクトルを微調整しておけ。社会に出た後のお前が心配になってきた。無礼講とは無礼を働けという意味ではないから、そこらへんのところをよく理解しとけ。お前が大切に持ち歩いているプロテインカタログにでも記しておくといい。損にはならないはずだ。
さて、そろそろ本題に入ろうと思う。単刀直入に言おう。『就職活動体験記』なるものを、俺たち三年生メンバーで書きませんか? 媒体はもちろんこの大学ノートです。
金ゼミでの時間を謳歌している俺たちも、来年には四年生になります。先輩方の卒業があります。今年は大変らしいと巷で噂の就活があります。これと同時に、俺たちは可愛い後輩たちを迎えることになるのです。今の先輩方に可愛がられている俺たち同様、今度は俺たちが新入りメンバーをもみくちゃに可愛がってやる番なのです。だからこそ、今後の金ゼミに語り継がれるであろう、伝説の就活体験記を、みんなで書いていこうではありませんか。みんなで情報を共有することは、俺たち自身が就活を有利に進めることにもつながるはずです。賛成反対の多数決は取りません。これは俺一人でも続けていくつもりです。でも、みなさんも参加してくれることだと、俺は信じています。信じているのです。信じていいよな? ノリの良いみなさんなら大丈夫です。
それでは、みなさんのご参加を、心よりお待ちしています。
九月二七日 田中麻美
この前のゼミ旅行、お疲れさまでした。みんな、楽しんでもらえたでしょうか。楽しんでくれていたら、私としてもうれしいです。キム先生が教えてくださった日焼け止めクリームは、効果抜群ですね。何でも知っているキム先生は素敵です。本当にありがとうございました。
前のページで谷本君が言っていた『就職活動体験記』なのですが、私も参加したいと思います。なんだか楽しそうですし、確かに自分たちのためにもなると思います。インターネットの掲示板にある書き込みを見ても、イマイチ信用することができない私にしてみれば、とても心強い日記になると思います。私からも、みなさんが参加してくれることをお願いします。
谷本君、参加してくれる皆さん、がんばりましょうね。
(追加) 山井里央
旅行お疲れでしたぁ~。麻美の言う通り、キム先生が教えてくれた日焼け止めはマジすごいです。ラフティングとか、日傘させないからヤバめかと思ったけど、全然白いまんまだもん。キム先生最高です!
この日記だけど、うちも参加するね。でも、うち、みんなみたいに頭良くないから、いいトコ行けないと思うの。でも、書ける範囲で書いてくね。
みんなで就活がんばろぉー!
(追加) 二条院
旅行ありがとう。すごく楽しかったです。
就活体験記だが、谷本にしてはなかなか冴えた提案だ。俺も参加する。
以上。