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2話 「冒険者人生の始まり始まり」

「本当に来ちまったんだなぁ……」

 俺はここに来てそう思った。

 完全に別の世界に来たのだ。そう思うのが普通な気がする。

 ちなみに周りを見渡せばバカでかい大剣を持ったゴツい男や、キャッキャ喋っている女魔法使いの集まり、無駄に露出度の高い女盗賊など色んなのがいた。

「ピンク色の髪とか二次元だけのものじゃなかったんだぁ……」

 青山の言う通りだよ……普通にピンク髪とかいるもん。元の世界で普通に生きてたんじゃテレビ以外で見ることはほぼ無いし何よりピンク色の髪が地毛とかいう人はいないだろう。

 というか青山のことがますます分からん。こいつ本読んでるところはよく見てたけどそんなマンガやらゲームやらアニメやらのことを知ってそうなやつじゃなかった。そもそも「二次元」って言葉を使うとも思ってすらいなかった。

 まぁそんなことは今は置いといて、改めて異世界に来たことを実感した。

 正直俺は元の世界でのんびりと生きていたかったんだがこうなってしまったのだからそんなことを考えても仕方ない。

 そういえば俺の装備どんなのなんだろうか。背中に剣があるのはすぐに分かったのでそれを抜いて見てみる。

 無駄な装飾やらなんやらが沢山ついていた。

 なんでそんなキラキラなんだよ……普通の見た目でいいじゃねぇか……

「プフっ……山中くん、その剣は流石にありえないでしょ…ふふふっ、しかもそれがもう一本とか……ふふっ」

 青山に笑われた。

 なんとなくで二刀流のやつを選んだのだが、まさかこんなにキラキラしてるとは思ってもいなかった。剣と一緒に付いてきた服はかなり地味なのになんで剣だけこんな……

 それに比べ青山はかなり似合っていた。

 魔導書とフード付きの紺色のローブ。まさに「魔法使い」と言った感じだ。

 青山は元々顔もスタイルもいいのだが、特典装備によってその綺麗さは増していた。

 たぶんこいつ基本どんな服でも似合うやつだろ。

 すると青山は何故かモジモジし始めた。

「なんだ青山、小便か」

「あ、あんたがジロジロと見てくるから恥ずかしかったの!!」

 へー、そうですか。

 まぁそんなことを言われるぐらい見ていたのならば、お世辞と思われようが一応褒めておいてやるべきなのだろう。

「そうかい。でも似合ってんじゃね?俺が女子をジロジロ見るとかそうそうない事だから相当綺麗なんだろうな」

「やっ、やめてよそういうの……」

 そっぽ向いちまった。俺絶対今ので嫌われただろ。

 とりあえず装備評価は終えてこれからすべきことを話しておくか……

「ご、こめん山中くん、ここからは単独行動にしよう……?」

「急すぎて頭の中で草生えてるよ」

 本当に急過ぎるだろ。

 まぁ、確かに偶然同じタイミングに死んで一緒に異世界に来ただけだ。一緒に行動する必要は無い。

「まぁ、わかったよ。また機会があれば会おう」

「う、うん、それじゃバイバイっ」

 そう言って青山は足早に去っていった。

 ……さてどうしたもんか。早速何もわからん世界で1人になっちまった。

 とりあえずなんか集会所的なところでも探すか。流石になんの情報もなしに行動するのはマズい。

 とりあえず職がないと金がないしな……



 私は青山藍奈。

 とある出来事でこの異世界――ヴァンデルだったっけ――に来た。

 そしてこの世界に来てからすでに4日が経過した。

 雄人くんと分かれたあととりあえず集会所のようなところを探して2時間ほどさまよったあと冒険者ギルドなるところにたどり着き冒険者になった。

 戦う仕事というものは冒険者以外ないらしい。

 ちなみに今はかなり楽な生活が出来ていて、なんと冒険者になったばかりの人は10日間の間は補助を受けることが出来るという。

 無料で宿に泊まれたり、食べ物や衣服類の商品を少し安く購入出来たりと初心者冒険者には嬉しいものばかりだった。

 クエストで魔物と戦ったりもしたが意外と楽で、しかも魔物は金目のものに目がないらしく、魔物を倒すと換金出来るものを手に入れることも出来た。

 めんどくさい事も当然あった。

 それは魔法だ。魔法を覚えるには冒険者カードで覚えるための操作を行う必要があった。

 しかも魔法を覚えるのにレベルの制限まであったのだ。全ての魔法を覚えれるとはなんだったのか。

 そんなことはあったもののかなりいい日々を過ごしていた。

 ……今を除いては。

「嬢ちゃん、俺たちと一緒にパーティ組まねぇかぁ?」

 私、今裏路地でイカつい男3人にパーティ勧誘……とは名ばかりのナンパのようなことをされています。

 やっぱりどんな世界でもあるのね……でもどうしよう。

 一瞬魔法を使ってどかそうと思ったけど、クエスト以外で魔法で人を攻撃すると相手が怪我をしていようとなかろうと犯罪になる。しかも囲まれているから逃げれない……

 本当にどうしよう……いつも聞いてるだけだったから特に怖くなかったけど、実際にされると圧力とか色んなものに圧倒されて怖くて動けない。

 誰か、どんな人でもいいから誰かっ……!

 そんなとき急に叫び声が聞こえた。

 しかも上から。

「ああああああ!!上からくるぞォ!気をつブベェ!?」

 上からなんか落ちてきた。

 確かに助けは求めたけど、まさかこんな形とは……

 ちなみに男3人も急な出来事にかなり戸惑っていた。

 そして落ちてきた男は顔を上げ、

「あっ、どうも。山中です」

 冷静に挨拶した。

「お、おい、女、そいつお前の知り合いか……?」

「ワタシ、コンナヒト、シラナイ」

「なんでそんな冷たいの青山!?」

 なんか変な登場してたけど、それでも私は嬉しかった。いつものように助けてくれたから。

「お、おい、もう行こうぜ、こいつ得体が知れねぇしよ……」

「そうだな……」

 男達はそう言いながら立ち去って行った。あの程度でナンパやめるって、度胸ないのかな。

「青山、さっきのは酷くないか?助けてやったのにさ……」

「あれって私を助けるためだったの?てっきり普通にドジして落ちてきたのかと思ってたけど」

「い、いや、まぁ偶然だけどなッ!?」

 やっぱり雄人くんは異世界に来ても雄人くんだ。

 彼はバレてないと思ってるんだろうけど、いつも陰ながら助けてくれていたのは知ってるんだよ。私はいつの間にかそんな状況を求めていたりもしたんだから。

 きっと今回もそうだ。何かと見守ってくれていたのかもしれない。

 ……まぁある意味ストーカーとも言えるけど、雄人くんだから許せる。

 雄人くんはさっきからずっと「痛かったぁ」と言ってウロウロしているがきっとあれも助けようとしてたのを隠すためなのだろう。

 そして改めて自分自身で確認した。

 やっぱり私は雄人くんが好きなのだと。

 それだけは元の世界にいた時から変わらない。

 そして私はそろそろ話をしようと思った。

「山中くん、私とパーティ組まない?」



「山中くん、私とパーティ組まない?」

 俺の思考は約10秒程停止した。

 嘘だろ?俺が青山からパーティ勧誘受けてる?

 俺嫌われてるんじゃないのか?あっ、これ絶対裏があるやつだ。絶対俺の失敗を笑うためにパーティになろうとしてるやつだ。

「青山、なんか企んでるなお前」

「なんでそうなるの!?」

 企んでない……だと……?

 マジか、マジなのか。これはヤバイ。

 とりあえずどうにかしなければ……

「せっ、千タルで手を打ちませんか……?」

「なんで私が買収してるみたいになってるの?」

「青山から誘いが来るとか裏がある気しかしないからな!!」

「ええっ!?やめてよそんな、私はただ山中くんといたいゴホンゴホン、ただ普通にパーティ組みたいだけなんだから!!」

 なんだ、そうだったのか。

 いくら1人好きといえどキラキラ女子高校生が相手なのでやはり距離を取ろうとしてしまう。

 そもそも俺どうやって女子と接したらいいのか知らんしな!!

 俺の中で女という生き物は悪意しか持っていない生物だと認識されている。あいつら女という立場を利用して色んなことしてんだもんな。例としては痴漢冤罪な。

 ただ、どうやら青山は違うようだ。

 さっきの誘いも普通に誘おうとしただけなのだろう。

 少し嘘を感じたがきっと些細なことなので気にしない。

「まぁ、どっちにしろずっと1人での行動だといつか限界が来るだろうからな。どこぞのラノベのソロプレイヤーでもない限り不可能だろ」

「別に君ならできる気もするけどね……」

 なんでだ。どんな根拠があってそんなこと言ってんだこいつ。

「数日のうちに死ぬ気がするなぁ俺は」

 うん、たぶんソロになんてなったら死んじまうな。

 マジで死んじまうからパーティ組みましょ。

「だって君いつも1人だったじゃない?だから1人でも平気なものだと」

「まず世界が違うことを考慮して欲しかったなぁ……」

 確かに青山の言う通り、元の世界ではまさにボッチだった。

 ただそれはすぐに周りに馴染めなかったのと周りのやつらが勝手に離れていったからだ。

 どうやら俺がずっと死んだ魚のような目をしていたので関心がないと思われたらしい。

 元からなんです。この目は元からなんです。

「それで、私とパーティ組むの?」

「千タルですか?」

「だから買収じゃないって!!」

「冗談だよ。流石に組まないと死にそうな気がするからな、その提案受けさせてもらいましょう」

「なんで君が上みたいになってるの……」

 俺たちの異世界生活4日目。

 結局2人に戻りました。

 知り合いがいるって素晴らしい。

「あれ、そういえばあのキラキラした剣はどこに行ったの?」

「売った」

「え?もう1度言ってくれない?」

「売ったよ」

 はい、実はチート剣売りました。

 だっていくら強くてもあんなキラキラしてたら使いたく無くなる。

 そのことを説明すると…

「でもこの世界じゃ装備の明るさが強さの証とかなんでしょ?」

「そんなもん知らん」

 実際その通りで、この世界では装備の豪華さが強さを示すらしい。だからあの剣はあんなにキラキラしていたのだろう。

 でも俺は別に目立つためにこの世界に来たわけじゃないので売っぱらってやった。1本10万タル、合わせて20万タルである。

「それで今のその黒い剣になったと」

「こんな素晴らしい色の業物を逃すわけにはいかなかったからな」

 その剣を売っぱらったあと、当然新しい武器を探していたのだが店のものすごい端に黒い剣があった。

 店の主人によると「すごい業物であるのは確かなんだが全然目立たないから買う人がいないので処分しようとしていた」とのこと。業物のくせに3千タルだったので即購入。

「確かに強そうな人はみんななんだかキラキラしてたもんね……」

「この世界目立ちたがり屋多すぎて怖いと何度思ったか」

「まぁ、そんな薄暗いあなたも、こんな華やかな美少女とパーティ組めるんだからね!」

「自分で美少女って言っちゃうんだな」

「……ごめん、今の忘れてもらっていい?」

 恥ずかしそうにそんなことを言ってきたが

「無理だな」

「本当に忘れてください、お願いします」

「事実言ってただけだし忘れる必要ないんだよなぁ」

「ホント無理、恥ずかしい……」

 こんな感じで俺たちはパーティを組むことになった。とりあえず言えるのは青山が楽しそうでなによりでした。普通に面白かった。


「そろそろ体力的に死にそうだから援護してくんねぇかなぁ!?」

「昨日散々私をおちょくった罰よ。まだ援護しないわ」

 俺たちは魔物討伐に来ていた。

 来ているのだが、昨日の「私、美少女!」という発言でひたすらいじっていたら拗ねて全く援護してくれない羽目になった。誰か助けて、切実に。

「山中くんが昨日のことをちゃんと謝ってくれるなら考えなくもないけどねー!!」

「お前あの程度で拗ねてんじゃねぇよこのやろォ!!」

「拗ねてなんかいませんよーだ!!」

「あぁもう!!フリーズ!フリーズ!フリィィィィズ!!」

 フリーズとは名前の通り凍らせる魔法だ。

 俺はさっきから確実に斬るために凍らせているのである。

 ただ、さっきから馬鹿みたいにフリーズして斬ってる気がする。

 青山のやつ、これが終わったら泣かせてやる……!

 そんなことを考えている間も魔物は追ってきていた。

 魔物はゲームなどではお馴染みのゴブリン。

 1体だけなら大して強くないのだが集団で来られると厄介な魔物である。

 そして俺は絶賛集団に追われている最中だ。かれこれ30分ぐらい走り通している気がする。

 マジでもうこれ以上走ったら死ぬ……

「本当にすまなかったから頼むから頼むから助けてくれぇ……もう走れねぇよ……」

「よぉし、私、張り切っちゃう!!山中くんどうにかしてそこから離れてー」

 走れねぇつってんだろうが!!

 そう思ったがそんなことを言えるほど体力も残っていないのでゴブリンを転ばせるために地面にフリーズをかける。

 すると面白いぐらいにゴブリンが滑らせて倒れていった。ゴブリンのドミノ倒しかな?ゴブリンが倒れている隙にその場からなんとか離脱する。

 そして青山は何か詠唱のようなことをしていた。きっと広範囲の魔法を使用するためには詠唱が必須なのだろう。

「焼き尽くせ、ラウンドファイア!」

 ラウンドファイア。

 半径5メートル範囲内を焼き尽くすとんでも魔法だ。

 そんなとんでも魔法のくせにレベル5で覚えられるという。

 もう全部あいつ1人でいいんじゃないかな。

 魔物を倒し終わり青山が近づいてきた。

「お疲れ様ー」

「誰のせいでお疲れだと思ってんだクソ野郎」

「さっさと謝るだけで良かったのにね」

「あの程度でいちいちキレてたらたぶん生きていけないと思うけどなぁ……」

「あー、なんにも聞こえなーい」

「聞こえない振りすんな」

 楽しそうに喋ってるから別にどうでもいいんだがな。元の世界では青山はずっと皮かぶってた感じがあったからな。

 とりあえず換金物のみ回収して俺たちは帰ることにした。


「仲間募集とかしてみない!?」

「お前だけでも戦えてるのにこれ以上仲間が必要なのか」

 金目のものの換金、クエスト達成を伝え、街の大浴場で風呂に入ったあと、一緒に飯を食ってた時に急に言ってきた。

 正直そんな話より青山が女っぽさを超絶発揮してて集中できません。いままで近くにいなかったので分からなかったが結構かわいい。風呂上がりとかダメだろ、チートだろ。

「話聞いてる?」

「聞いていたような聞いていないような」

「聞いてなかったのね……」

 お前が悪いんだからな。

「仲間を増やそうって話。流石に私だけじゃキツいと思うの」

「俺は戦力外ですか」

「そういう話じゃないの。遠距離での話だったから。山中くんは近距離で戦ってるでしょ?」

「まぁそうだな」

 確かにいくら2人協力になったとはいえ、この人数じゃ限界があるのは事実だ。

 俺のゲーム脳が最低でも4人から5人は必要だと言っている。

 青山にはサポート役に、俺が近距離で、近距離攻撃役が1人、防御役1人、遠距離攻撃役が1人は欲しい。

 ただそんな上手くいかないのが現実なんだよなぁ。

「そもそも俺らってまだ冒険者始めてから1週間経ってないんだぞ?そんな仲間なんて来ると思うか?俺らは偶然知り合いだったからよかったけど普通始めたばかりの人は1人である程度強くなってからパーティ組むもんだろ」

「そうは言われてもやっぱり必要だと思うの。私チート装備あるしもしかしたらワンチャンスあるんじゃない?」

 まぁ、確かに通常ならレベル20程で習得するラウンドファイアをレベル5の地点で習得してるんだからその地点で充分強い。そう考えれば確かにワンチャン……?

「話は聞かせてもらったァァ!!」

 急にそんな言葉が聞こえてきた。

 なんか面倒くさそうなのが来た気がするなぁ……頼むから面倒事を起こしそうなのは来るなよ。

 俺はそう願った。

この長さなら本気でやれば2日で書けることを知った。内容グチャグチャ、訳の分からない文章ですがお楽しみください。あと罵倒でもいいから感想とかレビューとかくれてもいいですよ?(←ただ単に感想とかが欲しいだけ)

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