線の引き方は
人は、線を引きたがる生き物かもしれない。
高速道路から見えた景色、あの向こうには、仕事で行ったことがある。
通りすぎていたときには、見えなかったけれど、そこには牛や馬を育てる農家がらたくさんあった。
それを知ってる今は、隠れた景色のあっちを思い浮かべられるけれど、きっと、その先やそのまた先を想像することはできない。想像しようとすら思っていない。
なぜなら、僕は、その先には何もないと自分勝手に線を引いているから。
人間は。と言ってしまっていいのだろうか。線を引きたがる生き物かもしれない。
ここまでが、自分の土地。
ここからが、君の国。
ここまでが、僕の限界。
立ち入らないから、そっとしておいてほしい。君の国には行かないから、ぼくの国にも来ないで。
ぼくの線の引き方は、間違いだろうか。
本当なら行けない先に線を引きたいはずだったのだ。たどり着けない果てに想像の線を引いて。
あそこまで、死ぬまでに行ってやる。たどりついてやるのだと。