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明日、俺は俺を忘れる。  作者: 五白 明無
3/3

昨日の俺を今日の俺は知らない

部屋に入ると日記を開いた。

昨日は“kacetalk(ケーキトーク)”というちょっと値段が高いケーキ屋さんで、洋梨のタルトを食べた、と書いてあった。

いーな。

あのケーキ屋さん、葵が美味しいって言ってたし。


「俺がこの味を覚えていたら…な…」


考えると悲しくなる。

ありえないことが俺のなかでありえる。

そんな事実に背を向けたくなる。


「だめだ…明日にはどうせ忘れるんだ、だから考えるのは止めよう。」


日記の今日の日付のページにシャープペンを滑らせた。

【夕飯のカレー、一番美味しかった!!!!】

今までの一番がわからないなら今日の一番を一番とすればいい。

カレー、美味しかったから。


日記をしまい、布団に潜った。

葵に『お休み』とLINEを送り、既読がついたのを確認して目を閉じた。


俺の中の記憶は何なのだろうか。

1日が終われば記憶は空いた穴からサラサラとこぼれ落ち、リセットされる。

砂時計のように、全て砂が落ちたらまたひっくり返る。

その繰り返しのような物だろうか。

ーーーー昨日の俺を、今日の俺は知らない。

今日の俺を明日の俺は知らない。



明日、俺は俺を忘れる。






「ん……」

「おはよー、怜」



「怜……」


俺、そんな名前だった………?

こんにちは!五白明無です!!!

完結しました!!!!!

短くてすみません……

まだまだ下手な小説ですが、これからも宜しくお願い致します!

次回作もご期待下さい!!!!*´▽`*

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