確かに恋だった
また君はあの子を見てため息をつく。
その姿を見たら、誰だって君があの子に恋を
していることに気づくだろう。
チクッ
まただ。これが片思いの痛さなのだろうか?
君に私を見て欲しくて、わざと大きい声を出した。
「何見てるの?窓の向こうに何か面白いものでもあるの?」
「い、いやっな、なんでもないよ」
君はそう言って、慌ててカーテンを閉めた。
やっぱり。
思ったとおり君はカーテンを閉めた。
自分の性格が少し悪くなったなと思い、私は小さく苦笑いをした。
昼休み私はあの子に声をかけられた。
放課後君を中庭に呼んで欲しいんだって。
きっと告白だ。
私はあの子も君が好きだってことに気づいてた。
でも君には何も言わなかった。
言ったら、この気持ちは叶わないから。
きっと私が君に伝えなければ、あの子は振られたと思うだろう。
どうしよう……
私は昔親に捨てられた。
そのときから私は感情というものが消えた。
私の心は真っ暗な暗闇の中でさまよい続けていた。
君がその暗闇から救ってくれた。
そしていろんな感情をもらった。
この恋という感情も。
きっと君がいなければ今も、私は暗闇の中をさまよっていただろう。
君には色々貰ってばっかりだね。
だから今度は私が君にあげなくちゃ。
そう思った私は走った。
君に彼女が呼んでいたと
伝えるために……