ep0:プロローグ
どうも、伽藍の空です。
オリジナル作品となります。
今回は、プロローグで短めですが、読んで頂ければ幸いです。
では、どうぞ!
◆◆◆
目を開けると、そこには闇が広がっていた。
どこまでも果てしなく広がる闇…。ここか何処なのかも分からない。音も人の気配も無い。それらがさらに俺の不安を増殖させる。
…なんで俺は、こんな所に居るんだ?さっきまで、自分の部屋のベッドで寝ていたはずなのに…。
沸き上がる不安と疑問を押さえ込み、俺はとりあえず歩を進めることにした。
―――歩き始めてしばらく経った。しかし、厳密にどれくらいの時間が経ったのかは、分からない。一時間、二時間…いや、それ以上歩いているのかもしれない。よく暗闇に長時間居ると、時間の感覚が狂うと言うが、今の俺は、まさにそれなのかもしれない。また、目印になる物も何も無いのでどれくらいの距離を歩いたのかも分からない。
……ヤバイぞ。ますます不安になってきた…。
俺は、これ以上歩くのは無意味だと察し、その場に座り込んだ。
「はぁ、ホント何処なんだよ、ここは…。」
――そう呟いた時、不意に背後に人の気配を感じた。「だ、誰だっ!」
「ひゃっ!」
大声を出して振り返ると、そこには白のワンピースを着た女の子が立っていた。歳は16、7くらいで、身長は150センチ程度。黒髪のツインテールで華奢な体型である。それ故に、胸の膨らみの存在感が増している。
「あー、脅かしてごめん。…ところで、君はどちらさん?」
俺は、女の子に問う。
「……み」
「み?」
「見つけた!!」
「ふおっ!」
そう言って、いきなり女の子は、俺に抱きついてきた。
――ちょっ、この娘力強っ!めっちゃ締まってるんですけど!
「ちょっと待って!」
俺は、強引に彼女を引き離す。これ以上締め付けられたら、なんかこう内臓的なモノが出てくるかもしれない。
「あの、君は俺を探していたのか?」
俺は息を整え、彼女にそう問う。すると彼女はこう答えた。
「はい、私は探していました。この異世界で戦うことの出来る素質を持った人間を…。」
…異世界?戦う?話が見えない。どういうことだ?
「なぁ、それはどういう…。」
「それでは、私は元の世界で待っているので。」
俺の質問を遮り、そう言って彼女は、俺に背を向けて歩きだした。
「ちょ、ちょっと待てよ!まだ聞きたいことが………っ!?」
――いきなり頭痛が俺を襲う。段々意識が遠退く。
「待っ…て、ちょっと……待っ……。」
途切れ途切れの声で彼女に呼び掛けるも、彼女は振り返らなかった。
そして、俺はそのまま、意識を失った。
次回は、ep1:出会い
となります。