14、ロウソクに変身したよー。本当だよー。
ハッピバースデー。自分。ハッピバースデー自分。
今日は僕の誕生日。今自分で決めました。
猫の耳毛と指毛が家を出て行ってから、3日が過ぎました。もう愛着はありません。今度あったら、食べます。確定です。
今僕は2階の部屋でケーキに刺さったロウソクに火を付けています。トッピングはサソリとか幼虫とかミミズとかナメクジとか動物の目玉とか僕の大好物を沢山散らしています。お、おいしそー。
バク。僕は恐竜に変身して、一口で食べました。
今日は何に変身しよう。僕は目の前のロウソクを見つめ、ロウソクになることに決めました。
どこかの会社のビルディングの入り口付近で、僕はロウソクに変身します。
ピッカピカー。
長さは約2メートルぐらいです。胴回りは20センチぐらいです。
黒い眼鏡をかけた。どこかの秘密組織にいそうな強面のおじさんが僕を拾いました。
ベンツに僕は乗せられゆらゆら、旅をします。
豪華で警備がしっかりしていそうな家に到着しました。自動で門扉が開き中へと入ります。
家に入りました。
僕は強面のおじさんの部屋に置かれました。
すぐに僕は火を点けられます。
「俺の寿命もあと僅か」
おじさんが涙を流しながら、語ります。自分の寿命をロウソクの短い命に見立て、感情移入しているのでしょうか。ロウソクは30分ほどで消されました。
それから、毎日のように僕は火を点けられました。
少しずつ短くなっていく僕。毎日涙を流すおじさん。僕はおじさんが少し可哀想になって来ました。
僕が残り1メートルぐらいになった時おじさんはぱったり死にました。
僕は涙を流しました。ロウの涙を。
ロウソクの僕はおじさんを抱擁したい衝動に駆られました。ロウソクの姿のまま死んだおじさんを抱きしめたい。どうすればいいのか。
そうだ、僕は閃きました。
いったん、変身を解き、死んだおじさんを箱に入れます。おじさんの手には火を持たせます。そして再びロウソクになりました。
ロウソクの僕は箱にまたがり、おじさんの手にある火によって点火しました。
徐々に溶けていく僕。溶けたロウが、ぽたりぽたりと死んだおじさんがいる箱の中に垂れていきます。
どれぐらい時間が経ったでしょう。僕の体はすっかり溶かされ箱の中のおじさんを見事にコーティングしました。これで僕はおじさんを抱きしめることが出来たのです。
満足した僕はハエになり、家を飛び出しました。
家に帰りました。
僕はおじさんのことを思い出し、悲しみが込み上げてきました。
何もかも忘れてしまいたくなりました。
なので僕は家の庭で、モグラになり土の中で眠ることにしました。
おやすみなさい。




