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10、石に変身したよー。本当だよー。

 ドカーーン。はっ?

 なんだろう。窓を開けて音のある場所を見てみた。なんだただの隕石か。つまんね。

 僕は台所で料理を作ることにした。昨日スーパーマーケットで食材を買ってきたんだ。久しぶりに。

 トントントン。包丁の音じゃないよ。トン汁を作っているんだよ。

 ザクザクザク。包丁の音じゃないよ。ざくろを使った料理だよ。

 ジャージャージャー。鍋で炒め物をしている音じゃないよ。洗面所の水を止め忘れたんだよ。

 グツグツグツ。煮込んでいる音じゃないよ。テレビでマグマの特集をやっているんだよ。

 さあ、出来た。ほらよ。

「ニャーン」

 もちろん猫の耳毛の餌だよ。 

 今日は石に変身するか。隕石も落ちてきたし。

 よし、家を出よう。僕はハイハイで家を出ました。なんでって手と足とで大地の息吹を感じたかったからです。でも、体全体で息吹を感じたくなったので結局イモムシの様に動くことにしました。誰とも会いませんでした。

 じゃあ、石に変身してみるか。

 ピッカピカー。僕は草むらの影で石に変身しました。

「あっ、誰か来たよ。女の子だ」

 通り過ぎました。

「また、今度は誰か来たよ。男の子だ」

 通り過ぎました。

「またまた、誰か来たよ。お婆ちゃんだ」

 通り過ぎました。

「今度こそ、僕に気づいて。中年の男だ」

 おしっこかけられました。

 誰も僕に気づいてくれません。

 あ、蟻さんこんにちは。

 蟻さん達は僕の上をずらずらと大名行列です。

 急に僕は持ち上げられました。僕はその人を見てみます。男の子です。

 男の子は僕を川原に連れて行きました。川原にはもう一人男の子がいました。

「はやく、日本一の水切りの腕を見せてくれよー」

「おっけ、おっけ」

 男の子は僕を川に向かって投げました。

 シュッ、シュッ、シュッ。

 流石日本一。僕は水の上を凄い勢いで跳ねます。そして川原の対岸に到着し他の石に紛れました。

 その後数日が経ちましたがいつまで経っても僕のことを見つけてくれないので、寂しくなり元に戻りました。

 家に帰り、猫の耳毛と触れ合おうと思いましたが家には耳毛の他に別の猫が入り込んでいて耳毛はその猫とじゃれあっていました。

 耳毛と触れ合えなかったことで、心にどこか寂しさを感じながらも僕は新しい猫を歓迎し、指毛と名付けました。

 耳毛と指毛は仲良くじゃれあっていたので今日は僕一人で寝ることにした。

「寂しくなんかないからね」

 そう言った僕の視界は涙で滲んでいた。

 

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