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NIXE  作者: 七賀ごふん
vier

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25/26

#1



話し込んでいる両親の背中を確認し、忍び足で麦穂をかきわける。すぐに戻れるよう、小川に沿って先へ進む。その途中、ようやく目をひく存在に出会えた。

「きれーなお花」

水鈴みすずは足元に咲く野の花を眺めた。名前は分からない。 白い花弁に焦げ茶の筋が何本も入っている。

お母さんに見せたら喜びそう。


「お花好きなの?」


足音も何となく、背後から声をかけられた水鈴は飛び上がった。振り返ると自分と同じ背丈の男の子が立っていた。

しかし声をかけてきたのはその子ではない。もっと高い、女性の声だった。ちょうど母と同じくらいの……。

ふと視線を横へずらすと、やはり若い女性が佇んでいた。腰まで届く長髪で、自分が持ってる人形をそのまま大きくしたような美しさだった。

それから気付いたこと。

日本語だ。……ここへ来てからずっと不思議な言葉を話す人しかいなかったのに、彼女は自分と同じ言葉を話している。

一方で、男の子はこちらを指さしなにか言っている。その指からは水が滴り、服はぬれてないのに足元に水たまりができていた。

ただ、それは女性も同じ。

「こらこら、そんなたくさん質問しないの。怖がってるでしょ。……ごめんね、息子ったらあなたと遊びたいみたい。髪の色も目の色も違うから、不思議みたいね」

と言うけれど、彼女とその息子も明らかに他とは違う容姿をしていた。水鈴は女性の頭を指さす。

「髪、緑色」

「珍しい?」

「うん」

「あなたのお父さんも同じ反応をしていた」




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