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NIXE  作者: 七賀ごふん
drei

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23/26

#5



十一年後。


「すごーい! すごい大きなクッキー!」

「あぁ。水鈴みすずの手と同じ大きさじゃないか?」

「すごいわねぇ。そんな大きいの食べられる?」

「うん!」


和成はドイツの街へ訪れていた。

今回は“三回目”になるが、会社から長期休暇をもらい、旅行の為に来た。母とではない。妻と来月六歳になる娘を連れて、思い出作りの為にやってきた。

生涯独身の覚悟もしていたのに、友人の紹介で知り合った女性と結婚し、今年で八年目になる。五年前には最愛のひとり娘が誕生し、忙しいが充実した日々を送っている。

数日前は赤ん坊だった気がするのに、娘の水鈴はしっかり意志を持って行動し、誰が相手でも話し掛ける。人だけでなく、もちろん物も。さすがに花はなくなったが、石像や動物には未だに嬉嬉として話し掛けている。

年々口が達者になり、ませた子になっている。これは自分と妻、どちらに似たんだろう。それともこの年頃の女の子は皆通る道なんだろうか。

たまに想像して可笑しくなるが、仮に息子が生まれていたとしても、恐らく似た部分があったと思う。


妻はスキンシップを怠らないから、直接の愛情表現が上手い。自分は逆だ。何よりこんな早くから娘にパパ気持ち悪いと言われたくないので、むしろドライに接するよう努めていた。

「すごいねー、本当に食べちゃった。お父さんにお礼言うのよ」

「美味しかった! パパありがとう!」

「はいはい」

娘の笑顔を受け、和成も笑って返した。彼女の頭を撫で、もう片手で妻の肩に手を添える。

「もっと寒いかと思ったけど、今日は暖かくて良かったわね。……あ、そういえば寄りたいところがあるんじゃなかった?」




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