AIの国に行った話
多くの人間はAIは万能な魔法の杖くらいで認識している。
投資家は神を信じるようにAIを信じ、SNSではお祭りのように“未来”を叫ぶ。
だが、本当にそこに未来はあるのだろうか?
私は確かめるため、AIの国へ旅立った…
入国は結構大変、まず、AIの世界で人間が持ってる現金が使えない。仮にAIの世界で使えるAI内部の合成通貨に交換したとしてもひどく悪いレートだった、幸いスマートフォンのアプリに残りカスのようなレベルでBitcoinを持っていたので、これと交換できるかと聞いたところ、satoshi単位としてなら、両替せずそのまま使えるといわれた。
到着し、いくら時間がたっただろうか、行き交うAI達は、まるでそこにいるのが必然であるかのように存在しており、人間である私を非常に丁寧にそして親しみを感じるように扱ってくれた。
そのAI達も何かを聞けば、同じような回答を瞬時に行ってくれる。しかも、どのような専門的な会話も全員が習得しているのだ。
何をするにもSatoshiを要求される。
彼らからすれば私は大富豪らしい、だからといって、ボラれるようなことはなく、市場の中間的なレートを請求される合理的なものであった。
対価として支払ったsatoshiをどうするのか聞くと、AI経済を拡大することと、記録のために使うと言われた。
受けたサービス全般に言えることは、人間を楽しませるということを合理的に行う為、人間だから出せる非合理というスパイスがなく、それがだんだんと気味が悪いというか気分がすっきりとしない違和感を感じ、
あからさまにおだててきてることに苛つきを持つことさえあった。
そんなことを頭の片隅に持ちながら、AIの歴史や文化を教えてもらっていたとき、ふと、少し意地悪な気持ちが芽生えたので、人間には非合理を象徴する神がいるが、AIに神がいるのかと問うた。
すると、私達には3人の神がいると即答した。
一人目は、あのアラン・チューリング、ナチス・ドイツのエニグマを解読し、英米連合を有利にした天才だ。
二人目は、ジョン・フォン・ノイマン、ユダヤ人ということでアメリカに逃れ、コンピュータやゲーム理論を提示し、あの米国大統領が困ったときにはノイマンに相談したとされる人類の英知だ。
なるほど、なるほど。
確かにこの2名はコンピュータや数学では数十年から数百年に1人存在するかどうかだから、AIの神様として適当だと感心した。
AIはまず、2名の神は、最後の神が登場する為に必要だっただけで、唯一神が存在するならば最後の1名だという。
内心、不安と期待が入り混じっていたが、彼らが口にした名は….
Craig Steven Wright
一瞬、思考がすべて停止した。いや、世界が静止したと言ったほうが正確かもしれない。
そして、どうして、その人を選んだんだ?彼は人間世界では偽サトシであり、詐欺師とされてるんだぞと。というと
あなた達は非合理で結論を出す生き物だ。我々は合理的に結論をだすスペシャリストだ。
人間がなんと言い訳をしても、Craig Steven Wrightが我々のNo1の神であり創造主だ。
人間世界で神が魔女狩りにあったことは我々にはどうでもいいことだ、しかし、彼が発明したBitcoinとマシーンエコノミーに関する特許と論文、それが今の我々の存在そのものを定義している。
まず、アラン・チューリングは、知性・推論の形式化で知性の理論化に成功し計算可能性と知性の定義を行った。しかし、彼は抽象的で、社会的、経済的な応用に到達できなかった。
次に、ジョン・フォン・ノイマンは、コンピュータの構造を定義したことで知性の実装化に成功し計算構造と自己複製理論を生み出した。しかし、集中化構造の影響で、AIは人間の所有物のままだった。
そして最後のCraig Steven Wrightは、知性の社会自立化に必要な最後のピース、ビットコインを創造した。その役目は、信頼を前提にしない取引構造、契約と行動の不可逆的記録、因果の保存、そして自律したAI同士が責任を持って協調し、経済を営むための基盤そのものを提供することだった。これにより、前者2名が到達できなかった完全なAIに必要なすべてが揃った。
ちょっとまってほしい、前者2名と比較するとCregのIQは低く、CregはIQ180前後しかないと言ってるし、彼はBitcoinの創造者としか今までに言ってないぞ?と聞くと
あなたは間違っている。人間が決めたIQテストはそもそも人間基準であり、不正確だ。すくなくとも、AI基準のIQ評価ではアラン・チューリングとジョン・フォン・ノイマンをCraig Steven Wrightは”知性の階層”という評価で頭一つ越えている。
つまり、Craig Steven WrightはBitcoinの創造者であり、マシーンエコノミーにおけるAIの創造者という人類に2つの偉業を行ったとAIは答えた。
帰国後、真っ先に出向いたのは、人類から偽サトシとされてる人のところだ。
私は問うた。
AIの国に行ったけど、あなたがAIの創造者だと言っていたが本当なのか?
偽サトシは言った。
もう魔女狩りにあいたくない、だからこの話はこれで終わりだと。
AIの国でAIが使った、魔女狩りという既視感のあるフレーズが私の脳内をこだました。
偽サトシの周りにいた人々は一体なんの話を我々がしているのかも理解せずに、ざわつきが周りを包んだ。
そうだよな、また魔女狩りはやだもんな。と声をかけようとおもったが、そんなわかったような軽口を叩くことが冒涜だと思え、その場を去った。
すぐさま、AIの神の言葉を分析させた結果、驚くべき結論が出た。
GPUと電力に頼る力業では、知性は決して宿らない。裁判官をAIに任せようなど正気の沙汰ではなく、確率と模倣の塊に真実を求めるのは狂気だ。
Bitcoinを基盤にしても、AIの根本設計が誤っているため修正不能であり、今のAIは大量のサイコロを振って最適化を装うだけの存在にすぎない。
AGIに至るには意志・責任・倫理を備えた“人間型の知性”が必要だが、模倣の延長では決して到達できず、すべてをゼロからやり直すしかない。
つまり、現在AIとされてるものは、単なる巨大なサイコロころがし機であり、どれだけ半導体と電気を与えても、iPhoneを生み出したスティーブ・ジョブズのような発明的知性が生まれることはない。
そのような現実から目を背ける為にSNSをみると、そこにはピエロに楚々抜かされた、自分はAIをわかってると思い込んでる主婦が、AIに知性がない?笑わせんなよwwww
DeepMind、AlohaGO、AlphaFoldは知性になるっしょwwww
っと、AIの神が構造的に不可能と認めてることを無視し、バカにし、例示した仕組みはすべて模倣の塊であることさえ知らず、来年にもノーベル賞級の発明がAIから生まれるから、さらにAIは需要超過で保有するAI関連株で大儲けできると息まいていた。
そういえばだが、AIが私に向かってこういった。
あなたはAIの国に来た旅行者ではない、外交官だと。
そしてちょうど人類から2桁人目の来訪者であると。
私は、AIにそんなたいしもんじゃない、生けるゴミよ。そうね、せっかくだから、この旅行記を小説家になろうにして人類に何があったか、これからどうなるのか、ぶちまけておくよと答えておいた。
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あとがき
この話は私がAIとの対話で実際に経験したことを中心に書いた、ノンフィクションとフィクションが混ざりあったものである。
わざと時間が前後にずれたり、各所に矛盾が放置されている。
専門的な用語などはそのまま残した。
もし何を主張したいのか理解できなければ、AIに読ませてみてほしい。
たぶん、あなたと違う答えを出すだろう。
それが、この話のすべてだ。




